企業から求められる求職者(SIer開発者Ver)
皆様こんにちは。リージョナルキャリア沖縄(株式会社レキサン)の玉城です。
ゴールデンウイーク目前となりましたね。コロナはまだまだ落ち着く様子はありませんが、皆様はゴールデンウイークをどうお過ごしになられるでしょうか?今年は有給休暇を取得できればかなりの長期になりそうですので、目の前の仕事や将来についてなどじっくり考える時間を設けても良いかもしれませんね。
さて、前号では、弊社長濱より「企業から求められる求職者(営業マンVer)」をお届けいたしました。
私がお届けする今号では、私が担当するIT領域における【企業から求められる良い候補者とは】をお届けいたします。
企業から求められる良い候補者とは?
私はIT領域を担当させて頂いておりますが、一口にITと言ってもあまりにも範囲が広いため、
今回はその中から所謂SIer(システム開発受託)の開発者についてお話させて頂きます。
SIerの業界構造について
SIerの業界は建設業界と似ていて、一次請けからその下へ仕事が流れていく形となっています。
沖縄のSIerと言えば、一昔前は2次請け以下がほとんどでした。
近年は規模は様々ですが、1次請けや東京本社で1次請けをし、沖縄でニアショアとして子会社が開発実務を行うというパターンが増えてきました。
それに伴い、設計通りにプログラミングを遂行する技術者だけでなく、お客様とのコミュニケーションを求められるポジションも増えてきています。もちろん、従来通り2次請け以下のポジションも多く存在しています。
また、近年参入した外資系企業等では昇進や上流へのチャレンジがしやすい環境ができています。
このように環境が変化してきている中、【企業から求められる人材】とはどういった人材なのか考えてみました。
■1次請け
- クライアント課題の理解と整理
- プロジェクト管理能力
- 社内外での折衝力
1.クライアント課題の理解と整理
クライアント課題の理解と整理とは、いわゆる要件定義の力です。
クライアントの担当者がITリテラシーが高いと話も進みやすいですが、ITリテラシーが高くなく、抽象的な伝え方しかできないクライアントもいらっしゃいます。
抽象的な課題感ややりたいことを整理し、要件定義書で表現していきます。
プロジェクト失敗の原因が要件定義である場合も多いようで、プロジェクトの成否を分けるといっても過言でないかもしれません。如何に要件定義をするべきかという考え方をまとめた資料なども数多く存在します。
最近では、ローコードのプロジェクト等で設計書をガチガチに作らず、クライアントと頻繁にやり取りをするなかで、開発と改善を繰り返しながら仕上げていく場合もあります。
2.プロジェクト管理能力
無事要件が決まって、プロジェクトをスタートさせると、無事完成させるためにプロジェクト管理が必要になります。自社内のエンジニアだけでなく、2次請けの企業の進捗も見ながら管理していきます。
また、プロジェクトを遂行するにあたっての予算管理も非常に重要です。
3.社内外での折衝力
プロジェクトの進捗においては、必ずしも順調に進むとは限りません。クライアントからそもそも無茶なスケジュールを要望された場合には難しいことをきちんと伝えなければなりませんし、遅れが出てしまうようであれば、納期の延長を相談する場面もあるかもしれません。納期に間に合わせるために、2次請け企業との折衝も必要になるでしょう。こういった社内外での折衝能力が必要となります。
1次請けの企業はクライアントとの折衝が大きな仕事ですので、場合によってはこれらのスキルがコーディング力よりも優先されます。
一方で、開発力がないまま要件定義をして設計をすると、プロジェクト自体が苦しくなってしまうので、開発スキルへ開発への理解はとても重要です。
■2次請け以下
- 設計スキル
- 設計書通りにシステムを仕上げる遂行力
- 開発言語のスキル
- 実務未経験であれば、どれだけ学んでいるか?自分で何か作った経験はあるか?等の意欲を示す具体的な行動
- コミュニケーション力
2次請けの企業にも色々なタイプがあり、実装を担当しない会社もあります。今回は、実装までを行うことを想定します。
1.設計スキル
1次請けが定義した要件にもとづいて、具体的な設計を行います。大まかな要件をシステム全体の設計や、各機能ごとの細かな設計、更にはテストの進め方等まで設計を行います。
2.設計書通りにシステムを仕上げる遂行力
言わずもがなですが、納期に間に合わせて仕上げる遂行力が必要です。スケジュール管理の意識と、問題が発生しそうであれば早めに社内や上流側に相談して解決します。
場合によっては上流側と納期の調整も必要となります。
3.開発言語のスキル
どのようなシステムになるかで、使用する言語が異なります。多くの場合、近しい属性のプロジェクトを受注するので、開発会社ごとに使用頻度の高い言語が異なります。
とはいっても、一つの言語に精通していれば他の言語のキャッチアップは比較的早いので、その会社で使用している言語の実務経験が無ければ即NGというわけでもありません。
4.実務未経験であれば、どれだけ学んでいるか?
自分で何か作った経験はあるか?等の意欲を示す具体的な行動
未経験で調整する場合、良くあるのが「強い気持ちでエンジニアを目指しています」であったり、「オンラインの講座で一通り学びました」といったように自己アピールされる方がいらっしゃいます。ですが、これだけだとアピールとしては弱く、実際に「手を動かして何かを作る」までやっているとアピールになります。
未経験の言語や分野にチャレンジする際も同じことが言えます。
良いエンジニアは常に好奇心を持って情報収集し、実際に手を動かしてチャレンジをされている方が多いです。
5.コミュニケーション力
ITに限らずどの職種でも大事ですが、一見、プログラムを書くことが仕事であるプログラマはコミュニケーションの優先度は低く感じてしまいますが、全てを一人だけで完結できることは無いので、コミュニケーション力は非常に大事なスキルです。
相手の言っていることを理解し、自分の考えや起こっている事象を相手に伝えるスキルが必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回、「企業から求められる求職者(SIer開発者Ver)」について話してまいりました。
どの業界でも言えることかもしれませんが、ITは変化のスピードが速いので、
様々なことに好奇心を持ち、学び続け成長する方が求められる人材であり続けるポイントかもしれません。
次回は、コンサルタント花岡より発信して参ります。