ものづくり製造業経験者の沖縄県内転職について
【Vol.１】

こんにちは！
株式会社レキサン（リージョナルキャリア沖縄）　代表の島村です。

今回は、ものづくり製造業経験者の沖縄県内転職について、２回に分けてお届けしたいと思います。

のっけから、厳しい話をしてしまって申し訳ないですが、転職が難しいというのは、何と比較しての話かと言うと、県外における製造業間での転職と、県内のそれではまったく状況が違い、難易度が高いということです。

私はリクルート時代の正社員求人広告の営業や、前職の地方に特化したUIターンの人材紹介会社で、主に長野や新潟での地方企業の中途採用や新卒採用に従事しており、担当地域以外にも全国の地方拠点の求人情報などに日々触れていました。

あらゆるローカルの求人市場を見てきたのですが、日本の地方には製造業がとても産業比率として高く、地方経済を根幹から支えているのは製造業であるという認識を持っています。地方の中では、求人の質量ともに製造業は大きな雇用を産んでいまして、長野時代の人材紹介会社では、製造業のお客様が売上に占める比率が、低く見積もっても6～7割ほどでした。

一方で全く同じ人材紹介業を沖縄県内で創業し5年間、展開しておりますが、ものづくり製造業（建設業除く）からの売上比率は5％未満です。内訳も、県外本社メーカーの支店営業職採用も含むので、いわゆる製造労務費に含まれる職種というよりは、販管費に含まれる職種も含めての5％未満という状態です。

県内と全国における産業割合　製造業の差

沖縄県内と県外の産業比率の差などを比較したデータや資料は、「沖縄　産業構造　製造業」で検索すると色々と出てきますので、ご興味のある方は調べてみてください。

参考までに一部以下のデータを引用します。／「沖縄県経済の概況」：沖縄総合事務局HPより抜粋

上記は産業割合の差であり、県内には全国と比較して製造業の事業者が少ないということを表している図です。

製造業求人の質の違い

ものづくりメーカーでの専門性を活かした職が非常に少ないなと肌感覚で感じているのは、県内にあるメーカーの求人職種内容、つまり求人の質にあります。

沖縄にあるメーカーの大部分は工場になります。設計や開発部門などは、ほとんどが県外にあり、県外の賃金では採算に見合わない製造工程を、製造移管で沖縄に移されたケースがとても多い。製造や組立ラインの付加価値が低い工程が多いわけです。

ゆえに、製造業の事業者数も少ないし、その求人の質も、専門性を持った人材を募集する内容ではないケースが多い。

そうすると、製造業で専門性を持った人材の獲得競争が起こらず、給与や待遇も低いままであり、県外で製造業で専門性を磨いた人材との待遇格差が甚だ大きくなります。

実際に、琉球大学工学部や沖縄高専を出て、県外の大手や中堅メーカーにエンジニアとして職についた理工系の人材が沖縄へのUターンを検討したときに、大きな待遇ギャップに悩むケースをこれまで幾度となく見てきました。

20代後半～40代で製造業で技術や専門性を磨いてきた彼ら彼女らは、間違いなく他の地域、それが産業が少ない地方都市でも、引っ張りだこになるような存在です。

私は長野県や新潟県で最前線で、累計300名程のものづくりエンジニアに求人提案をしていた経験を持っていますが、県内移住を検討するものづくりエンジニアの方々に、
「沖縄でなければ、希望に沿ったいい求人を何十と提案できるんですけどね。」
「あなたのキャリアであれば、他の地域では、喉から手が出るほど欲しい会社は山ほどあるのですが…」
と何度もお話する場面がありました。

ボヤキに近いのですが、身も蓋も無い話を何度も言わずにはいられないほど、立派なキャリアをお持ちの方で、そんなキャリアの方をお手伝いできないのがとても悔しく、口惜しい思いと、そのエンジニアの方々への慰めも込めて、何度もそう口走ってしまいました。

次回のブログでは、そんな中でも、

• 転職に成功した具体的な事例
• うまくいかなかった事例

を含めて転職のポイントを述べようと思います。

それでは、また次回！

今後とも、株式会社レキサンをどうぞよろしくお願いいたします。