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こんにちは!
株式会社レキサン リージョナルキャリア沖縄 代表の島村です。

ものづくり製造業経験者の沖縄県内転職について、前回お伝えした記事「ものづくり製造業経験者の沖縄県内転職について その2」の続きです。3回目になります。

■今回のブログの対象者:
主にものづくりの製造業、いわゆるメーカーでの経験(特に、設計や開発、生産技術/製造技術、専門性の高い技能職、開発購買、生産管理、品質管理、品質保証)があり、沖縄県内での転職を考えている方に対して、沖縄県内の転職マーケットを知って頂ければと思いまして今回のテーマを設定しております。

【前回のお話を要約すると】

沖縄県内で、メーカーにおける設計・開発・生産技術・技能職・生産管理・品質管理・品質保証などスキル、専門性を活かしての転職はとても難しい。

転職のポイントは?

  1. 『希望条件を広げる』
    希望する仕事内容や待遇条件の幅を広げる、幅広く検討頂くことが大事。
  2. 『タイミング勝負』
    常にアンテナを張って希望の求人が出てきたら、タイミング良く転職する。

失敗事例を用いて上記のポイントをお話をしましたが、今回は『キャリアチェンジ』して、沖縄に移住転職に成功した具体的な事例を述べようと思います。

沖縄へ移住転職に成功した事例紹介

【事例1】県内で多い転職先は 「IT系エンジニア」

比較的によくある事例として、モノづくり系のエンジニアが、IT系のエンジニアに転職する例は多くあります。県内ではIT系の産業のすそ野が広く、中長期的にもキャリア構築がしやすいという点と、論理性や技術力など専門性で勝負するという点で共通点が多い点に魅力を感じてのキャリアチェンジを希望する例が多くあります。

例えば、組込系や制御設計でC言語を習得しているエンジニアは、C言語での開発経験を活かしてWEB系のエンジニアにキャリアチェンジする例は多いです。(県内では組込系の求人もありますが少数です)

またコンピューター言語とは関係のない、機械設計や回路設計のエンジニアも、WEBエンジニアなどソフトウェアエンジニアに転職する例も多くあります。

業界と製品は違えど設計者という括りであれば、応用できる仕事のプロセスや基礎的な能力は多数あると思います。 とはいえ、モノづくり → ITへのジャンプは、やはり若ければ若いほど、転職成功確率は高くなります。

研究者の成功事例

以下は研究者の転職成功事例です。研究者の方の転職活動を手伝うことが稀にありますが、多くの方が知的水準など基礎能力がとても高い方が多い一方で、研究という知的活動にやりがいを感じているからか、研究職以外での転職を希望しません。ただ、研究以外にも視野を拡げて、その旺盛な知的好奇心を満たせそうな、クリエイティブな仕事に遣り甲斐を見出せるケースもあります。

【事例2】バイオ系の研究者→

技術系ITベンチャーのプログラマー・エンジニア へキャリアチェンジの例

沖縄出身のAさん(女性・当時20代後半)は旧帝大大学院で生物系の博士号を取得したとても優秀な方でした。ポスドクで国内でも著名な研究所にバイオ系研究員としてお勤めになられてましたが、結婚を期に沖縄にUターンをする際に転職のご相談をさせて頂きました。県内でバイオ系の研究者の道も模索しましたが、そのような求人は希少で、また求人があったとしても雇用が不安定な有期雇用の研究職求人が主であったので、キャリアチェンジを模索しておりました。

これまで研究職で鍛えてきた論理性と仮説立案から検証プロセスの実行力、海外の研究論文や先端技術などを調べて研究に落とし込むリサーチ力、など基礎的なレベルがとても高いことに着目しました。 ITベンチャーでこれまでに市場にないプロダクトを研究開発している技術系のソフトウェア開発企業に紹介。選考の中で、未経験ながらプログラミングのお題を出されても、その高い論理力と学習スピード、自律的に学習して解決していく力を高く評価されて、めでたく内定がでました。CTO曰く、技術の移り変わりが激しい先端的なIT分野においては、下手なIT系エンジニアよりも、ポテンシャルが高く、キャッチアップするスピードの高い自律的に学習する未経験者の方が魅力的とお言葉を頂きました。

現在はリモートワークで、家事育児をこなしながらご活躍されていらっしゃいます。

またAさんに似た例として、バイオインフォマティシャン(生命情報科学)としてゲノムの塩基配列データのデータ解析をしていた研究者が、そのR言語などの解析スキルを活かして、データサイエンティストに転職した事例もありました。

 

つづいて、ITエンジニア以外の例をご紹介します。

よくあるパターンとして、県内ではものづくりの製造業は少ないですが、食品加工業は沖縄でも比較的多くあります。食品加工業でラインの生産技術職、設備保全職などへの転職を多く見受けられます。

その他、生産技術職で設備保全や修繕経験など設備系のスキルを活かして、ホテルや商業施設の設備管理職や保全職、機器メーカーや商社のフィールドエンジニア職に就くケース。

PLCなどのシーケンサ制御経験を活かして、ビルメンテの計装(自動制御)設備の設計や保全職に就くケースなども見受けられます。

以下の例は、少し変わった例として事業会社の経営企画職に就いたケースになります。

【事例3】航空機の設計、開発プロジェクトマネジメント → 事業会社の経営企画・事業企画 の例

Bさん(男性・当時30代中盤)は、沖縄出身で国立大学院で機械工学を選考された後に、航空機の設計会社に就職し、構造強度解析や材料開発、安全性証明に従事した後に、航空機機体メーカーの開発計画立案をコンサルタント、プロジェクトマネジメントをしていました。とても難易度が高く、大規模なものづくりに従事されておりました。

当初、ものづくりメーカーへの転職を検討されていらっしゃったのですが、なかなかそのようなスキルが活きる製造業は県内にはなく、またお子様もいらっしゃるので給与を下げるという選択肢もとりづらい状況でした。

情報収集をして1年ほど時間はかかりましたが、県内上場企業の経営企画・事業企画の中途採用があり、同社では数年に一度あるかないかの募集でしたが、その高い分析力や、プロジェクトのマネジメント力、多数のステークホルダーの合意形成をとりながら成果をだしていく力を評価されて、無事に内定が出ました。けして設計スキルなどものづくりのバード面のスキルは活かせてませんが、エンジニアリング手法のメソッドを応用して、企画業務や市場分析業務、社内外を巻き込んでのプロジェクトマネジメント業務で活躍をされております。

このように、モノづくり系のエンジニアや技術者が活躍する場は、製造業以外にも多くあります。

 

あらためて、転職のポイントは3点です。

  1. 『希望条件を広げる』
    希望する仕事内容や待遇条件の幅を広げる、幅広く検討頂くことが大事。
  2. 『タイミング勝負』
    常にアンテナを張って希望の求人が出てきたら、タイミング良く転職する。
  3. 『キャリアチェンジ』
    職種や業界を変えるキャリアチェンジも念頭に。

たしかに県内には製造業求人が少ないのですが、可能性はあります。

せっかく、沖縄県外で高いレベルのものづくり企業で磨いてこられたスキルや能力、ご経験を最大限に活かせる場を、見つけられるよう皆さんと一緒に、可能性を切り拓いていきたいなと思います。

皆さんが頑張って研鑽してこられたこれまでの貴重なご経験を、沖縄産業界の力に変えるべく、私も奮闘したいと思います。
ぜひ一度、当社までご相談ください。

三部作になりましたがお付き合いありがとうございました!


今後とも、株式会社レキサンをどうぞよろしくお願いいたします。

島村 賢太 Shimamura Kenta
キャリアコンサルタント
沖縄県石垣島生まれ。横浜国立大学を卒業後、株式会社リクルートへ入社。その後「リージョナルキャリア長野」において人材紹介業の営業職、コンサルタント職として従事。沖縄にUターン後、株式会社レキサンを設立し、代表取締役に。3児の父であり、休日は子供とMinecraftに勤しんでいる。

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