沖縄での働き方は他県とは違う?実際に働いている人の体験談を紹介
県外から沖縄県への転職希望者のなかには「沖縄でゆったり仕事をしたい」とおっしゃる方もいます。
しかし、実態は関東圏やほかの地域との働き方と変わりません。
ゆるく仕事をしたいと思って移住転職をし、理想と現実のギャップが大きく「こんなはずじゃなかった」と感じる可能性が高いのです。
本記事では沖縄県民のリアルな働き方、沖縄県が取り組んでいる働き方改革の事例のほかに、実際に移住転職した人の体験談をお伝えします。
沖縄で働く前に押さえておきたいポイント
沖縄で働く前に、押さえてほしいポイントを3つ紹介します。
仕事以外の生活面について解説しているので、沖縄生活をイメージしながら読み進めてください。
①沖縄の働き方は意外にも「まったり」ではない
結論、沖縄の働き方はまったりではありません。
よくウチナータイムと揶揄されますが、それはあくまでプライベートにおいてであり、仕事において時間を守るのは当然で、結果を求められるのは他県と変わらないのです。
労働時間を見てみましょう。
毎月勤労統計調査によると令和3年の沖縄県の平均労働時間は139.9時間、全国は136.1時間と沖縄県が若干上回っていることがわかります。
しかし、給与は全国平均より低いことから、生産性の低さが沖縄県の課題となっています。
統計データを用いた分析によると、沖縄県の「宿泊業、飲食サービス業」を含むほとんどの産業において、労働生産性が全国平均を下回っていることが確認されています。
これは沖縄県内の産業構造、非正規雇用の割合の高さ、若者の早期離職率などが影響していると考えられています。
②沖縄の平均年収は約330万円
沖縄労働局が令和2年に公開した沖縄の賃金によると「沖縄県の毎月勤労統計調査によるきまって支給する現金給与額」は277,129円です。
毎月の給料が277,129円なので、1年間で見ると3,325,548円になります。(277,129円×12か月)
全国的に見ると低い水準ですが、勤務先や経験・スキルによって年収の差は大きくなります。
沖縄県の平均年収や、沖縄県の所得が低い理由については「沖縄県の平均年収はおよそ330万円、500万円以上の人の特徴や低い理由まで」で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
③沖縄で働くなら車移動の時間はかかる
車社会の沖縄では、普通自動車免許と自家用車の所持はマストです。
電車はモノレールのみで那覇市内と浦添市の一部にしかありませんので、毎日運転する時間がかかります。
職場と自宅との距離によっては通勤時間が増えて、ゆっくりできる時間が減ってしまう可能性もあるでしょう。那覇や浦添はラッシュアワー時の交通渋滞がひどいので、あえて時間をズラして通勤している方も多いです。
一方で、車があると海で夕日を見たり、コーヒーをドライブスルーして海岸沿いで休憩したりと沖縄を満喫できます。米軍向けのラジオ放送を聴けるのも沖縄ならではでしょう。
沖縄でゆっくり過ごしたいなら、車移動のストレスに気を配ることをおすすめします。
沖縄県が取り組む「働き方改革」
上述の通り、「生産性が低い」という沖縄県の課題を解決するために、県が取り組んでいる働き方改革について、詳しく解説します。
①「働き方改革」推進本部の設置
沖縄労働局では「働き方改革」推進本部を設置しています。
すべての労働者が多様な働き方を選択できる社会をめざし、沖縄労働局が一丸となり効率的に施策を推進しています。
働き方改革に関する沖縄県内企業の取り組み事例は、以下の通りです。
企業名 | 取り組み内容 |
---|---|
沖縄ガス株式会社 |
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イオン琉球株式会社 |
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沖縄電力株式会社 |
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働き方改革の推進に向けた労使団体や企業経営陣への要請、支援策の周知・広報に取り組んでいます。
②生産性向上の支援
沖縄労働局は、持続的な働き方改革をおこなうためには、働き方改革と生産性向上を同時に進めていくことが大切としています。
沖縄労働局が取り組んでいる支援内容は、以下の8つが挙げられます。
- 専門家とともに働き方改革を取り組む
- 助成金や融資を活用して、職場・労働環境の改善に取り組む
- 働きやすい職場であることをアピール
- 設備導入をして、省力化・効率化の実現
- ITを導入して、人手不足に対応
- 人材育成、人材の定着
- 業務プロセスの改善
- 経営計画の取り組み
【引用元:厚生労働省沖縄労働局|働き方改革・生産性向上のための支援】
県民所得の向上、貧困対策、人手不足を解決するには、県内企業数の99%以上を占める中小企業・小規模事業者の「雇用の質の向上」「生産性向上」の取り組みが必要となっています。
③時間外労働の上限規制
厚生労働省は、2024年4月以降から時間外労働の上限を規制する方針です。
2024年から適用される業種は、以下の通りです。
- 工作物の建設事業
- 自動車運転業務
- 医業に従事する医師
- 沖縄県における砂糖製造業
時間外労働と休日労働を合計した時間を、月100時間以内、2〜6か月の平均80時間以内とすることを定めています。
【引用元:厚生労働省|時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務】
長時間労働を削減することにより、女性や高齢者も就労しやすく労働参加率の向上に努めています。
沖縄で働く人や仕事の特徴
こちらでは、実際に沖縄で働く人や仕事の特徴をまとめました。沖縄で暮らすイメージをしながら参考にしてください。
①オンとオフが切り替えやすい
上述にもある通り、首都圏と比べても労働時間に相違はなく働いていますが、働きながらでもリフレッシュできる素晴らしい環境が整っています。
沖縄は美しい海や青い空が広がり、仕事の合間のふとした瞬間にリフレッシュできます。マリンスポーツや釣りなどのアクティビティも充実しており、休日はアウトドア三昧という移住者も多く見られます。
また沖縄県は、人口あたりの居酒屋の数が全国と比べ多いというデータもあります。市街地や郊外、どのエリアにも居酒屋が点在しており、仕事帰りや週末に同僚や友人とくつろぐ場所を選ぶことができます。活発なコミュニケーションで地域全体が活気にあふれ、仕事とプライベートのバランスが取りやすい環境が整っています。
データ出典:都道府県別飲み屋店舗数
②オンとオフが混じり合っている人もいる
①とは逆に、オンとオフがうまく混じり合っている人が多いのも沖縄で働く人の特徴です。
海水浴場がオープンしているシーズンは、毎週のように「ビーチパーティ」と呼ばれるBBQをするグループでにぎわいます。職場全体や部署ごと、同期の集まりや、職場の仲の良い家族同士の集まりなど、休日も職場の人との付き合いが活発です。
また、個人事業主や開業している人は横のつながりが大事になってくるので、オンオフ関係なくコミュニティに参加している人も多くいます。
沖縄で個人事業主として働きたいと考えている方は、「沖縄県内でフリーランスとして活躍するには?メリット・デメリットからポイントまで」をご覧ください。
③沖縄の人の優しさを感じる
移住した人たちに沖縄の魅力を尋ねると、「沖縄の人々は優しい」という言葉が必ず挙げられます。地元の人には利他的なマインドを持ち、助け合いの文化が根付いています。
もちろんビジネスにおいては全てが助け合いというわけではないですが、協力的な印象が見受けられます。
この優しさと協力の精神は、沖縄ならではの価値観である「ゆいまーる」に起因していると考えられます。「ゆいまーる」とは「助け合う」や「相互補助」を表す言葉です。
「ゆい」が沖縄の言葉で「結ぶ」や「つなぐ」、「まーる」は「円」や「順番」を意味し、困ったときはお互い様と、順番に助け合うという精神です。
この精神が受け継がれ、地域社会で根付いていることが、移住者たちに「沖縄の人々は優しい」と感じられる理由でしょう。
④観光業を軸に、新産業に力が入っている
沖縄県はホテル、特産品、工芸、ランドマークなど観光客を対象とした観光産業が多いです。
この観光業を重要な柱として位置づけつつ、将来を見据えて新たな産業の創出に積極的に取り組んでおり、特に、ITとバイオ分野において進んでいる印象があります。
IT分野ではDX人材の育成やデジタルによる生産性の向上に向けた支援などを行っています。スマートシティ構想や地域コミュニケーション基盤の整備など、情報技術を駆使した新しいインフラの構築が進んでいます。また、コミュニティ活動も活発でデジタル人材が育ってきている印象です。
一方で、バイオ分野では地元の自然環境を生かした研究が進んでいます。OISTや沖縄バイオ産業振興センターなど研究機関の環境が整っています。沖縄固有の植物や海洋生物を活用した医薬品や健康食品の開発が期待されており、地域の生態系を保護しながら新たな産業を生み出す取り組みが行われています。
これらの新産業創出の取り組みは、観光業だけでなく、ITとバイオの分野においても沖縄が持続可能な未来に向けて進化している印象があります。
沖縄のDX化への取り組みやOISTのスタートアップベンチャーの記事も合わせてご覧ください。
沖縄に移住転職した人の体験談はこちら
移住転職に成功した方へインタビューを行いましたので、いくつか紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
- 株式会社サイダス 佐藤恵里香さん(仮名・インサイドセールス) 29歳
- ガリレオスコープ株式会社 今井幸雄さん(仮名・新規事業開発) 45歳
- 税理士法人エヌズ 仲田正行さん(仮名・税務/財務アドバイザー) 36歳
- DXに取り組む「沖縄セルラー電話」にIターン転職した水橋さんと対談
- 北海道→東京→沖縄 「好きな場所で、暮らし、働く」を実現したマーケター・中部興産の鈴木さんと対談
- 【対談】沖縄への移住転職相談を機に出会い、そして沖縄で起業の道へ
- 実際に移住転職した方の声
まとめ
時間がまったり流れるイメージの沖縄県ですが、働き方は「ゆるい」わけではありません。
就業時間はしっかり決まっており、仕事での実績を求められるのは他県と変わらないです。
沖縄での転職を考えているなら、なぜ沖縄で働きたいのか志望理由を明確にして、入社後やりたいことを言語化できるよう努めましょう。
本記事を参考に、沖縄で働くイメージをして、あなたの転職活動に役立ててください。
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