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さて、前回の記事では私のこれまでの経歴と、子ども時代の原体験、そしてUターンで沖縄へ戻ろうと決めた経緯までをお伝えしました。

詳しくは前回記事をご覧いただいてからこの記事をお読みいただいた方が、ここまでの背景がわかるかと思います。

今回は、本題でもある転職活動のリアルな現実、苦労した点や実際に沖縄に戻ってからのお話をお伝えしていきます。

沖縄Uターンに向けた転職活動での苦労

まずはじめに、私が転職活動をするなかで苦労したこと&失敗したことをお伝えいたします。

沖縄へのUターン転職で苦労したこと「情報収集」

とにかく苦労したのは「情報収集」でした。

私は高校3年生までしか沖縄にいないので、沖縄にはどんな会社があるのか、どんな求人があるのかまったくイメージがついていませんでした。to C企業の社名やサービスは知っていても、働き方やどんな人たちが働いているのか想像もつきません。to B企業になるとなおのことです。

そこで選択した情報収集の方法が下記の3つ。

  1. 中学や高校の同級生から話を聞く
  2. ひたすら検索をしてみる(「Web編集 沖縄 求人」「沖縄 web編集 給料」「沖縄 Uターン転職」など
  3. 転職サービスに登録して実際に求人を見てみる

結果、現実を突きつけられます。

まず第一に、給料がかなり安い。

東京ではたいして給料が高い方ではなかった私でも、年収が100万円以上下がることはほぼ確実だということがわかりました。しかも、キャリアチェンジをして業界や職種を変えるとなれば未経験扱いになってしまい、場合によっては年収が200万円近く下がることも覚悟しなければいけない。かなり焦りました。

正社員での転職を望んでいたので、どうにかWeb編集やメディアの立ち上げ経験を活かせそうな求人はないかと探してみるものの、アルバイトや契約社員の求人がほとんどで正社員求人がほぼない…!

そこで、「給料を下げないために、在京企業かつフルリモートのWeb編集系求人を探そう」と安易に考え、転職エージェントに登録して求人探しを始めました。これが次にお伝えする沖縄へのUターン転職で失敗したことです。

沖縄Uターン転職での失敗談「安易な“フルリモート求人”へのこだわり」

自分のやりたいことやキャリアプランと向き合うことなく、Web編集の経験が活かせそうなフルリモート求人を探そう、くらいの温度感で求人を探し、とりあえず応募をする。そして書類選考が通ってから本格的にその企業のことを調べるという、かなり雑な転職活動をしました。

MARCHにも属するそこそこの大学を出た(指定校推薦ですが)、東証プライム上場企業で働いているというのが功を奏してか、ちらほら面接には進むことができました。

このときの転職の軸は、「沖縄に帰る」けど「給料は絶対に下げない」というかなり大雑把で、条件面のみでの求人探しでした。こういう転職活動が上手くいかないというのは、誰が見ても当然なのですが、自分ではなかなか気づけません。

結果、ものの見事にうまくいきませんでした。

なぜか?「志望動機が思いつかない」からです。思いついたとしても、面接で熱量を込めて伝えることができない…。

どの企業にも興味がないというわけではないですが、なぜその企業に入りたいのか、入ってなにがしたいのか、どう貢献できるのか。いま改めて考えてみると、それが口先だけの取り繕ったものだったと痛感します。そんなものは採用担当者にすぐバレてしまいますし、響くものだったとは到底思えません。

そのことを強烈に痛感したのが、「ここに入社できたら最高だ!」と思えた国内コード決済シェアNo.1企業の二次面接(一応最終面接?)を受けたときのこと。

一次面接の面接官は、入社することになれば所属するであろう部署のリーダーの方で、私のWeb編集者としての経験を買ってくださり、すぐに二次面接の案内をしていただきました。

ところが、二次面接ではそううまくはいきません。複数の部署を束ねる本部長の方が面接官だったのですが、あえなくお見送りとなりました。

担当するエージェントに確認したところ、本部長の方が言っていた不採用理由は、「城間さんが沖縄に帰りたいのはよくわかった。スキル面もおそらく大丈夫そう。だけど、なぜうちに入りたいのかがまったくわからなかったんです」と。

完全に図星でした。

その場しのぎの取り繕った志望動機では、転職活動はうまくいかない。そんな難しさを思い知り、転職活動はここで一旦中断することにしました。

もう少し具体的に説明すると、大手転職エージェントに登録して転職活動をしていたのですが、担当のコンサルタントから「どんどん応募しましょう」と勧められ、言われるがままに応募をしていった結果、複数の企業の書類選考が同じタイミングで通過し、短期間で何社もの面接を受けることになり、だいぶ疲弊してしまいました。

求人案内のメールが一日に100件以上届き、目を通そうと頑張るものの、私のキャリアとはまったく関連のない職種や、そもそも沖縄在住だと応募できない求人も数多く混ざっていたので、条件に合う求人を探すのはもはや宝探しレベルでした。

そんなこんなでかなり疲れてしまい、その間は妻に家事・育児の負担をかけてしまっていたので、転職活動を一時休止することにしました。

「安易にフルリモート求人にこだわって転職活動をした」ことで、自分で自分のことがわからなくなるという結果を招いてしまいます。

だいぶ長々と書いてしまいました。このテーマだけで1記事書けそうなくらいお伝えしたいことはあるのですが、ひとまずここで区切らせていただきます。その後、結果的に私が弊社(株式会社レキサン)に入社するまでの経緯は、また別の記事でお伝えできればと思います。

 

実際に帰ってきて感じたメリットと苦労—保育園探し・車事情

ここからは、沖縄にUターンしてきて現在までに実感しているよかった点と大変だった点をお伝えできればと思います。

正直なところ、大変だったことの方が多いのですが、早めにUターン転職に向けて準備をしておけば回避できることばかりですので、ぜひ参考にしていただきたいです。

まずはよかった点からいきましょう。

沖縄にUターンしてよかった点

両親(じいじばあば)の近くで育児ができる

大きな目的の1つでもあった、じいじばあばの近くで子育てをしたいというものですね。

私の実家から400mくらいしか離れていないマンションを借りたので、週末はどこに行くにもとりあえず実家に寄って、私たち夫婦はコーヒーを飲んでリラックスしながら、子どもはじいじばあばとコミュニケーションを取ったり、実家に置いてあるいとこたちのおもちゃで遊んでいます。

夜ご飯を私の姉・兄家族と共に食べることも多く、子どもたちも楽しんでいる様子なので、帰ってきてよかったと感じる瞬間ですね。

海も近いので気軽にビーチに行けたり、東京に比べると大きな公園もすぐ行ける距離にあるので、子育ての面ではかなりいい環境だなと感じます。

中学、高校の友人たちとの仕事の話が飛躍的に盛り上がるようになった

転職エージェントでコンサルタントをしていると、沖縄のあらゆる業界や企業のことを深く知ることができます。

沖縄では今後こういうことが盛り上がりそうだよね、今こういうことに注目しているなど、お互いのやりたいことや会社で取り組んでいることを共有したりしながら、より一層将来の話に華が咲くようになりました。

これまでもよく友人と話はしていましたが、会話の解像度や一緒にやれることの実現可能性がぐっと高まり、将来の話が一段と盛り上がるようになりました。親しい友人が沖縄で活躍している話を聞くと、素直に心が弾みます。

沖縄にUターンするにあたっての苦労

予想以上にお金がかかった

東京から沖縄にほぼすべての家財道具を持ってきたので、引っ越し費用だけで約50万円かかりました。

家具や家電が壊れることを避けるためにはなにかと大手が安心かなという考えのもと、パンダのキャラクターでお馴染みの大手引越し業者に依頼をしました。私が調べた限りだと、30万円台後半〜50万円くらいが引っ越し費用の相場かなと感じます。

特に費用面はUターン転職で気になる部分だと思うので、本シリーズ4本目「(仮)Uターン転職にかかる費用・手続きの注意点」で詳細にお伝えできればと思います。

保育園探しが大変

沖縄に限らずですが、認可保育園はなかなか空きがありません。
東京から情報収集をするのもけっこう大変で、友人や家族の力を借りてなんとか入園したい園の評判や空き状況を確認しました。

認可保育園に空きがないので、私立の認可外に今は預けています(なんやかんや認可保育園に入れると思っていたのに…)。

車の運転が大変(車を沖縄に送るのも大変)

私も妻も東京で運転する機会はほぼなく、いわゆるペーパードライバーだったので、車の運転には苦労しました。ようやく慣れてきましたが、東京でももっと運転しておけばよかったと後悔しています。

納車から10日経たずしてやらかしてしまい、運転席側のドアを交換する羽目に…(この記事を執筆時点は絶賛修理中)。涙が出てきそうなので、事故の話はこのくらいにしておきましょう。ちなみに、実家の車庫内での単独事故だったので幸い怪我人もいません。

また、車は東京で購入し、船で沖縄まで運びました。沖縄県外で買う方が選択肢が多いのでそうしましたが、東京から沖縄に送るのに17万円もかかりました。以前は10万円弱で済んだようですが、今は原油価格の高騰も相まってかなり高くなっているようです。

沖縄の物価が思ったより高い

東京に比べると地方は物価が安い、と認識している方が多いかもしれませんが、沖縄は状況が異なります。

県外の商品は流通コストがかかるので、その分、値段が高く設定されてます。例えば、東京ではもやしが1袋30~40円程度だったのに対して、沖縄では100円。ほかにも、納豆や卵、牛乳など、なにかと沖縄の方が高いように感じます。物価高の最中なのである程度覚悟はしていましたが、正直驚いています。

バス通勤は大変

ご存知の通り、沖縄は電車がなく那覇~浦添間をモノレールが通っているのみです。

自家用車での通勤ももちろん可能ですが、那覇市内での勤務となると駐車場の空きがあまりない+通勤ラッシュ時にはバス専用レーンが適用されるのでかなり時間がかかってしまいます。通常は車で20分のところが1時間くらいかかるイメージでしょうか。

また、最近は慣れてきましたが、バスは電車と違ってかなり揺れます。どこかに捕まっていないと立っていられないので、本を読んだりスマホをいじるのにも一苦労です。高校生以来のバス通勤(通学)は、想像以上に大変なものでした。

もろもろの手続きが多くて大変

弊社に内定が決まってから入社まで約2ヶ月だったのですが、前職で仕事をしながら諸々の手続きを進めるのはけっこう大変でした。

手続き系に限らず、やることリストでいうとざっくりこんな感じでしょうか。

  • 会社に退職を申し出る
  • 退職までに業務を引き継ぎ、関係者に挨拶する
  • 新しい会社で必要な手続きを進める
  • 沖縄で住む家や車を探す
  • 転居先が決まり次第、保育園の申請をする(住民票・就労証明書の準備)
  • 引っ越しの荷造りを進める(子どもがいると深夜しか作業できない)
  • 飛行機の手配(ペットがいるとなお大変)
  • 住んでいる自治体に転出届を提出
  • 新居の自治体で転入届を提出(マイナンバー・子どもの医療証・児童手当などの手続きなど)

※東京で仲の良かった友人や会社の人が送別会を開いてくれたりするので、とてもありがたいのですがそれ故になにかと手続きや引っ越し準備が進められないことも。

細分化すればもっとあるでしょうし、挙げればキリがありません。

途中、頭がパンクしそうでした。いま思えば、内定から2ヶ月でUターンをするのはちょっと無謀だったのかな?とも思います。年末年始の冬休みであれば、きょうだいや両親の手も借りやすいと思っていましたが、それでもなかなか大変でした。

沖縄にUターン転職をして大変だったこともたくさんありますが、けっしてUターンを後悔しているわけではありません。この記事では書ききれませんでしたが、よかった点もいくらでも挙げられます。

ありがたいことに、沖縄に特化したU・Iターン転職をお手伝いしている弊社(株式会社レキサン)に入社し、私と同じような悩みや不安、そして希望をもった人たちのサポートにやりがいを感じますし、なによりも沖縄を盛り上げることに貢献できて、嬉しく思っています。

まとめ

いかがだったでしょうか?
地元の沖縄にUターンしたい、Iターンして沖縄で働いてみたい方々にとって、私の経験が少しでもプラスになれば幸いです。

引っ越しを伴わない転職ももちろん大変ですが、沖縄へのU・Iターンはもっと大変です。

1人で進めようと思ってもなかなか決断できなかったり、特に情報収集の面で苦労することも多いのではないでしょうか。

転職するかどうかに関わらず、まずは身近な人に相談をしてみたり、先にU・Iターンを経験した友人と情報交換をしてみてはいかがでしょうか。U・Iターン転職に大事なのは、急ぎすぎないこと。これに尽きます。

次の記事では、沖縄へのUターン転職の準備・進め方をお伝えする予定です。私の経験も踏まえて、どうすべきかをお伝えしますので、ぜひお読みいただければ幸いです。

城間 美将 Shiroma Yoshiyuki
コンサルタント
沖縄県南城市生まれ。中央大学を卒業後、ベンチャー企業に就職。その後、介護情報サイトの運営企業、大手人材紹介のマーケティング部門にてWeb編集者を経て、沖縄へUターン。2025年1月より株式会社レキサン(リージョナルキャリア沖縄)に入社。2児の父であり、趣味は、スポーツ(野球、サッカー、ボーリング)、動画視聴(AbemaTV、Youtube、NewsPicks)、料理。

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