未経験からエンジニアに就職した方の実例を交えて、
未経験からエンジニアへのステップの道をご紹介
こんにちは
リージョナルキャリア沖縄 株式会社レキサンの玉城です。
私が転職支援を行うIT分野では、多くの企業が人手不足に直面しており、特にIT人材が求められています。ただし、未経験者を採用して育成する企業は少ないため、実際のところは「経験者の人材不足」が問題です。
それでも、未経験でも独学で学ぶことによってポテンシャルを発揮できる人は、採用されることがあります。こうしたポテンシャルのある人材が増えることで、IT業界の人材不足は少しずつ解決されていくと思います。
そこで、未経験からエンジニアになるために必要なポイントをまとめていきます。
未経験エンジニアの定義
未経験エンジニアとは言っても人それぞれの定義がありますので、ここでの定義を定めておきます。
スキル習得には一般に「1000時間の法則」と「10000時間の法則」があります。この法則によると、ある分野で1000時間学ぶことで、その分野を得意とできるレベルに達し、10000時間で一流のレベルになるとされています。
エンジニアの世界では、1000時間のプログラミング学習で初心者レベルを抜けると考えられます。
したがって、この議論では未経験エンジニアを「プログラミング学習時間が1000時間未満」と定義します。
企業が未経験エンジニアに期待すること
企業が未経験のエンジニアを採用することは、将来的な投資となります。
企業がこのようなエンジニアに期待するのは、将来的に貢献できるポテンシャルの有無です。ポテンシャルには様々な側面がありますが、基本としては、自ら積極的にプログラミング技術を学ぶ姿勢が挙げられます。
前述の「1000時間の法則」を用いると、独学で1000時間の学習をこなせるかどうかが重要です。1年間で1000時間勉強すると、毎日2〜3時間の学習が必要になります。このような継続的な学習習慣があることは、企業にとって好ましく評価されます。
また、採用する企業の対象となるサービスと同じ業界で働いていると、業界や業務の課題感の理解が進んでいることから、採用に至ることもあります。
未経験からエンジニアになるまでのステップ
未経験からエンジニアになるための1000時間の学習プランを段階別に説明します。
ただし、目指すエンジニアの種類によって必要なプログラミング言語が異なるため、このプランは一例として参考にしてください。
0〜200時間
初期段階ではプログラミングの基本を学びながら、学習習慣を身につけます。社会人は仕事との両立が難しいため、強制的な学習環境としてプログラミングスクールに通うことも有効です。スクールの課題を通じて、学習習慣を築きます。
200〜400時間
プログラミングスクールを卒業すると、基本的な知識が身についているはずです。ここからはフレームワークの勉強に移ります。選ぶフレームワークは、既に学んだ技術に基づいて選ぶと良いでしょう。
400〜600時間
フレームワークの学習が完了したら、自分自身でアプリケーションを作成してみましょう。実際の開発を通じて、理解不足な点が明らかになります。また、GitHubを利用して学習の記録を残すことを推奨します。これは就職活動にも役立ちます。
600〜1000時間
社会人インターンやエンジニアコミュニティに参加することで、実際のプロジェクトに携わり、エンジニアとしての実務経験を積んでいきます。
実際のエンジニアと共に働く中で、エンジニア特有の思考方法や仕事の進め方を理解することができます。
最初は難しいことが多く見つかるかもしれませんが、それは多くの人に共通の経験です。この段階に到達したら、自信を失わずに引き続き頑張ることが大切です。
未経験からエンジニアとして就職できたモデルケース
私が担当するIT分野の転職事例として、30歳で公務員からWeb系開発企業に転職したケースを紹介します。
一般的に、30歳で開発実務未経験からITエンジニアに転職するのは困難とされていますが、この方は2社からオファーを受けるという素晴らしい結果を得ました。
プロフィール
彼は沖縄出身の30歳男性で、約7年間公務員として勤務していました。
彼は様々な部署での勤務を通じて、幅広い経験を積み、多様な関係者とのコミュニケーションスキルを磨きました。
また、定期的に変わる新しい仕事内容に短期間で適応する能力も身に付けています。
エンジニアを志したきっかけ
仕事はどれもやりがいがあり、一緒に働く同僚や上司にも恵まれていた一方で、業務の進め方が非効率だと感じる場面は少なくありませんでした。
そのような中、個人的に学習していたプログラミングを活用して同僚の業務を効率化したところ、予想以上に喜んでもらえたことをきっかけに、プログラミングスキルをもっと高めたいと感じるようになりました。
終業後や休日を利用して勉強し、学んだ技術を活かして業務効率化を進めましたが、様々な分野を幅広く担当する公務員の業務では、プログラミングを活用する場面は限られていたため、転職を決意します。
自己学習について
転職を決意した後、Aさんは慎重な性格から、情報収集を一層進めて、準備に取り組み始めます。
この過程で、技術者のブログをたくさん読み、未経験からエンジニアになるための戦略や、効果的な勉強方法について具体的に考え始めました。
まず、ポートフォリオを作成することを決定し、友人とディスカッションを行いながら「どのようなサービスに価値があると思うか」を考え、サービスのアイデアを具体化させました。
開発に入るにあたり、Rubyを中心に学習し、ポートフォリオ作成に必要なフレームワーク(Rails)の知識も学び始めました。
転職活動
ポートフォリオ完成後、Aさんは転職活動に移ります。
将来のキャリアの展望や扱う技術に注目しながら、県内外の未経験者歓迎の求人に積極的に応募しました。多くの企業への応募を通じて、可能性を広げました。
沖縄の地域課題に焦点を当て、技術選定に柔軟な企業の選考にも参加しました。
多くの企業の選考プロセスを経て、最終的に沖縄県内の2社に絞りました。
うち1社は未経験者採用枠を設けていてRubyやPHPの開発案件を主に扱う企業でした。
もう1社は主にスタートアップやベンチャー企業への開発支援を得意とし、経験者採用が原則ですが、ポートフォリオの完成度が評価されました。
最終的には、企業のビジョンや未経験から入社して活躍している先輩の存在に惹かれて入社を決めたそうです。
ポイント
質の高いポートフォリオの作成と、エージェントを利用した効果的な企業選びが、満足のいく転職に結びつきました。
また、安定した行政職からの転職だったため、給与面ではいくらかの妥協が必要でした。
しかし、短期的な安定よりも将来の展望を重視し、何を優先すべきかを見極めたことが重要でした。
本人は自身を「慎重なタイプ」と表現しており、転職を決断するまでには時間を要しましたが、転職活動においては成功を確実にするための充分な準備を行いました。
業界についての詳細な情報収集、戦略の立案、周到な準備、そして妥協点の明確化は、未経験ながらエンジニアとしての転職を成功させる要因となりました。
まとめ
今回は未経験からエンジニアへの転職について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
キャリアチェンジでは、多くの場合、未経験からのスタートとなり、自学は避けられません。
しかし、着実に学習を積み重ねることで、次のステップへと進む道が見えてきます。学習を継続することが、未経験からエンジニアになるための最短ルートだと考えられます。
もしモチベーションが下がることがあれば、目標となる企業を決めることが効果的です。
沖縄のIT企業について知りたい方は、私たちが持っている情報を提供しますので、遠慮なくご相談ください。
弊社では、すぐの転職でなくとも壁打ち相手になりながらベストな未来へ進むお手伝いをしておりますので、よろしければお声がけください。