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レキサン長濱、インタビュー記事、Iターン
(左から、中部興産株式会社の鈴木彬史さん、株式会社レキサンの長濱雅徳コンサルタント)

 

「沖縄だから自分は頑張れる。移住から2年たった今も楽しいです」

沖縄の海に魅了され、「いつか沖縄に移住したい」と願っていた鈴木彬史(あきふみ)さん(37歳)。
新型コロナウイルス感染拡大という「危機」を逆手に、2021年6月、沖縄で不動産業を展開する
中部興産株式会社https://www.chubu-kosan.co.jp/ へのIターン転職に成功。長年の夢だった沖縄移住を実現しました。

仕事では同社のマーケティングやデジタル運用を一手に担い、スタッフと共に組織の成長を牽引する存在に。週末は共に移住したパートナーと海に潜ったり、歴史や文化に触れたりと「仕事もプライベートも充実しています」と笑顔を見せます。

とはいえ、沖縄県民の平均所得は全国平均の約7割強。北海道で生まれ育ち、東京のアパレルやインテリアブランドでマーケティングのスキルを磨いた鈴木さんにとって、沖縄への転職は待遇面でマイナスとなることが想定されていました。

それでもなお、沖縄へのIターン転職を決めた理由とはー。

鈴木さんの転職をサポートした株式会社レキサンの長濱雅徳コンサルタントが同社を訪れ、当時の転職活動を振り返りながら、キャリアの切り拓き方やIターン転職について語り合いました。(2023年10月取材)

リージョナルHERO

沖縄移住の夢、コロナ禍を機に実現

沖縄 海

長濱:鈴木さん、お久しぶりです。東京から沖縄に転職されて早2年! 生き生きとご活躍されている様子を嬉しく思います。ところで、鈴木さんは20代の頃から「いつか沖縄に移住したい」と考えておられたそうですが、どうしてですか?

鈴木:20代前半の頃、宮古島に移住した友人宅に遊びに行ったのがきっかけです。あまりにも綺麗な海に衝撃を受け、そこから何度も沖縄を訪れてダイビングを楽しむようになりました。次第に沖縄大好き人間になって…今に至ります(笑)。

長濱:ご旅行が趣味で世界各地を訪れていらっしゃる鈴木さんが「沖縄が好き」と言ってくださることに「ありがとう〜」です(笑)。でも、どうして沖縄だったんでしょう?

鈴木:沖縄の海は特別です。文化や歴史や風土も魅力的です。食べ物も美味しい。もう全てですね(笑)。海外のビーチにも色々行きましたが、沖縄の海の美しさはダントツです。世界に誇れるものだと思います。

長濱:嬉しいですね〜。ただ、沖縄好きの方であっても、移住される方はそう多くはありません。改めてIターン転職のきっかけを教えてください。

鈴木:コロナ禍が転機となりました。リモートワークが増えたことで、「これだけデジタル化が進んでいるのだから、どこにいても仕事はできる。動くなら今しかない。このタイミングを逃したら移住はもうできないかもしれない」と思い、パッと行動したわけです。

 

収入より「沖縄」を優先

長濱:2021年1月に動き始めて、6月に入社されるというスピード感でした。そしてファーストコンタクトを取らせていただいた時点で、「この方は上手くいく。決まる」と感じましたよ。

鈴木:ありがとうございます。それは、どんなポイントだったのでしょう?

長濱:知識やスキルなどの優秀さだけでなく、向き合う相手への誠実さや、先を見据えて物事を考えられる方だと伝わってきたからです。Iターン転職の場合、ローカライズできるかどうかも大切なポイントです。相当なキャリアを積まれた方でも、現場との乖離があって上手くいかないケースもあるからです。転職活動に際して、沖縄以外の選択肢もあったのですか?

鈴木:正直なかったです。ただ、自分がもし東京で転職したらどのぐらいの待遇になるのかは知りたかったので、東京の会社も1社受け、内定までいただきました。沖縄では最終的に2社から内定をもらいました。収入的には、東京の会社は前職よりプラス待遇、沖縄の2社はマイナス待遇でしたが、やはり自分は収入より「沖縄」を優先しました

長濱:鈴木さんは当初から、沖縄では年収が多少下がることを認識されていました。それでもあえて沖縄への転職を選ばれた理由は?

鈴木:例え収入のベースが下がっても、ライフプランを総合的に考えて生活すれば問題ないと考えていたからです。例えば、賃金の高い東京で働いて高額なマンションを購入する選択肢と、収入は多少下がっても大好きな沖縄の海の近くで暮らす選択肢を比較して考えた場合、自分にとっては後者の方が快適な暮らしができると考えたからです。

長濱:なるほど。Iターン転職に成功される方は、皆さん意外とシンプルなんです。失う部分があるとしても、別の大切なものを得たいという選択です。鈴木さんの時も、沖縄移住によって仕事とプライベートの両方を充実したいという意思を感じました。

 

中途採用は「人ありき」

対談 転職 沖縄

長濱:改めて当時を振り返って…鈴木さんの転職は不思議なぐらいタイムリーでジャストフィットなマッチングでした。鈴木さんが弊社にエントリーされた頃に、ちょうど私は中部興産の現社長・新垣貴雪さん(当時は経営管理部長)とお話しさせてもらい、「中部興産にはマーケティングに長けた人材が必要だ」と認識できたわけですから。

鈴木:そうなんですね! どちらが先だったのですか?

長濱:まさに同じタイミングでした。当時はちょうど社長交代を目前に控えた時期で、新垣さんは「もっと良い会社にしたい。発信を強化したい」と考えておられました。そのためには自社の課題や過去のデータを抽出・分析し、各部署に話を聞きながら情報を整理し、次の展開に繋げるためのマーケティングが重要になると考えておられました。

鈴木:中部興産には当時、マーケティングの部署はありませんでした。

長濱:沖縄は中小零細企業が大半なので、マーケティングに特化した部署がない企業がほとんどです。中途採用って実は「人ありき」なんです。「こういう課題があるから、こういう人材が欲しい」という大まかなミッションはあるのですが、業務内容が具現化していくのは採用する「人」が決まってからというケースも多いのです。

 

決め手は「人」との出会い

リージョナルキャリア沖縄 転職 長濱

長濱:中部興産は沖縄の不動産業界ではトップレベルですが、鈴木さんにとっては前職と全く異なる未知の業界でした。戸惑いはなかったですか?

鈴木:そうですね…実はありました(笑)。不動産業には縁がなかったのでイメージが沸かなくて…。知りもしないのに当時は、「ブラックが多そう」「古臭い組織じゃないか」なーんて思っていました。申し訳ありません(笑)。

長濱:そんな中で転職を決断されたのはなぜですか?

鈴木:やはり現社長の新垣との出会いが決め手となりました。面接の際に新垣が5年10年後のビジョンを熱く語る姿に触れ、「中部興産っていいな」「自分がここで働いたら、あんなことができそうだ」と自分の力を発揮できそうなストーリーが見えてきたんです。

長濱:内定が出ていた別の1社と迷われていましたね。

鈴木: 実は…自分としては最初、別のもう1社に気持ちが傾いて悩んでいたんですが、その時に長濱さんがすごく親身になって相談に乗ってくれたんですよね。最後はどうでもいいような細かい質問までしていました(笑)。

長濱:いえいえ、とても大事なことでしたよ。鈴木さんに限らず、転職活動される方は、重視するメインの「軸」があるわけですが、最終決定の段階ではむしろ、細かな悩みや課題が意思決定を左右することがあります。鈴木さんは総合的に物事を判断されるタイプだと感じたので、不安を全てクリアにして決断していただきたいと考えていました。

「小さな感謝から、大きな発展に」

長濱:東京と沖縄ではビジネスの進め方など、色んな点でギャップやご苦労があったかと思います。

鈴木:確かに当初はギャップを感じたこともありました。これまで自分がビジネス的な常識だと思っていたことが、沖縄では違うぞといった場面もありました。でも、物事の進め方や考え方は、地域や人によって異なるのは当然です。だからこそ、「どう伝えれば相手に分かってもらえるか」を大切にしながら、人や状況に応じて丁寧に考え、工夫できるようになったかなと思います。

長濱:うーん、さらっとお話しされていますが、とても大変だったとお察しします。相手をどうこうしようとするのではなく、ご自身のアプローチの仕方を工夫されたのですね。課題解決のベクトルがご自分に向かうところが、鈴木さんの誠実さだと感じます。

鈴木:何より新垣が業務の大変さや必要性を理解してくれ、コミュニケーションも取ってくれていたので安心して取り組むことができました。苦労はあっても同僚やスタッフから「ありがとう」と感謝され、自分の仕事が次なる事業展開に繋がっていくことが何よりの喜びです。まずは小さな感謝から、大きな発展に繋がっていけばいいなと感じています。

長濱:名言が出ました! 素晴らしい言葉です。企業は人の集合体なので、1人1人が小さなイノベーションを起こしていかないと、大きなイノベーションは生まれないですからね。

沖縄で暮らし、働くからこそ

鈴木:でも…これが沖縄じゃなかったら頑張れなかったと思います(笑)。沖縄で働いているからこそ、オンオフのバランスが取れて、仕事にも意欲的に取り組めると感じています。そして実は来月、一緒に沖縄移住してくれたパートナーと結婚する予定です。

長濱:おぉ〜それはおめでとうございます!! Iターン転職や沖縄移住については、パートナーさんは理解してくれたんですか?

鈴木:そうですね。一緒に来てくれました。彼女は東京で物流関係の営業の仕事をしていて、今も同じ会社でフルリモートで働いています。

長濱:プライベートでも充実されていらっしゃいますね。

鈴木:沖縄に移住してから、念願だった犬を飼い始めました。「犬友」もできましたよ(笑)。4月から12月は毎週のように海に通っているので、海遊びの仲間もできました。

長濱:どんな犬を飼っているんですか?

鈴木:トイプードルで名前は「ござまる」です。琉球王朝時代の英雄・護佐丸からヒントをもらいました(笑)。

長濱:めちゃくちゃ沖縄じゃないですか〜!

鈴木:若い時には「世界中を周りたい」とか、どちらかというと外向きでアクティブな目標を持っていましたが、最近は犬を飼っていますし、来月には結婚もするので、日々の幸せを大事にしてきたいと思っています。

長濱:日々の幸せを大事に…すごく本質的なことですね。地元は北海道で、東京でスキルを磨かれた働かれた鈴木さんが、沖縄で日々を積み重ねることを決めたのはどうしてですか?

鈴木:う〜ん。難しい質問ですが…気候も大きいですね。北海道生まれですが寒いのは嫌いなので、年間を通して暖かいのは大きな魅力です。今や夏でも県外より涼しいですし(笑)。しかも沖縄は海が近い上にすごく都会で便利です。ちょっと車を走らせれば大きなショッピングモールが幾つもありますから。「娯楽がない」と言う人もいますが、自分にとっての娯楽は海や自然がフィールドなので、それらを含めて過ごしやすいですね。

会社・地域・沖縄に貢献したい

長濱:これからの目標があればお聞かせください。

鈴木:まだ具体的には動いていませんが、中小企業には共通した課題や悩みがあると感じています。なので、デジタルやマーケティングといった自分が持っているスキルで、沖縄や地域に貢献できないかと考えています。経営面の知識も深めたいので、来年からは中小企業診断士の資格取得を目指して勉強しようと考えています。

長濱:素晴らしいです! 転職された後には宅地建物取引士(宅建)や2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格も取得されました。

鈴木:会社から言われたわけではありませんが、業界の基礎的な知識やルールを理解しておいた方が業務の核心に近付けると思ったので取得しました。

長濱:鈴木さんは常に、ご自身の仕事や将来に必要な知識を身につける努力を続けていらっしゃる。その姿勢こそがキャリアを切り拓く鍵だと感じます。

これからIターンする方へ

長濱:最後に、沖縄にIターン就職される方へのアドバイスをお願いします。

鈴木:自分は20代の頃から「いつか沖縄に移住したい」と思っていましたが、移住で失敗する人が多い現実も見聞きしていました。ネックになるのは仕事と金銭面なので、まずは自分に実力をつけてからトライしようと考えていました。若い時のチャレンジも良いと思いますが、問題をクリアするための準備は大切だと思います。

長濱:「沖縄に転職するとキャリアダウンする」と言われることがあります。鈴木さんはどうお感じになっていますか?

鈴木:今はどこにいても各種講座や勉強会にオンラインで参加できる時代です。何もしなければ成長は止まってしまうので、経営やデジタルの勉強会には積極的に参加するようにしています。インプット・アウトプットできる環境は自分で作るよう努力しています。

長濱:それを仕事に還元されていらっしゃるわけですね。

鈴木:自分の努力がスキルアップに繋がり、それが仕事に活かされて、会社への貢献に繋がり、ひいては沖縄や地域への貢献にもなる。そういった良い循環が生まれると思っています。

長濱:常に自己研鑽・自己投資されていらっしゃるんですね。素晴らしいです!

鈴木:今回のインタビューを機に転職活動時のメールや記録を読み返し、改めて感謝しかありません。転職をサポートしてくれた長濱さん、自分を引っ張ってくれた新垣、北海道にいる家族やパートナーの理解があってこそ、今の自分があります。これから少しずつ恩返ししていきたいと考えています。

長濱:何て出来たお人なんですか〜(涙)! 本日は私自身がたくさんの刺激をもらいました。またお話を聞かせてください。

鈴木:今度は泡盛を飲みながらぜひ!

(写真&文 佐藤ひろこ ※一部は提供写真)

対談を終えて

鈴木さんは都内でバリバリ働かれている時にご相談に来られ、「コロナ禍で自身の人生について考えるようになり、自分の大好きな土地で仕事がしたい。そして今よりもっと成果を求められる、やりがいのある仕事がしたい」とお話しされていました。

沖縄へのIターン転職から2年余り、公私共に充実しているご様子に触れ、とても嬉しく思います。

多くは語られませんでしたが、大変だったこと、ご苦労された点は山ほどあったかと思います。

そういったことも含めて「良い経験だった。沖縄に来てよかった」と前向きに捉え、ご自身の糧に変えることができる思考や姿勢が、鈴木さんの素晴らしいところだと感じます。

沖縄へのIターン転職を成功させる、大切なポイントであるとも確信いたしました。
私自身がとても良い刺激を受けた対談でした。

次は泡盛を酌み交わしながら、さらに深掘りした話をお伺いしようと思います。(長濱雅徳)

当社が運営しております、リージョナルキャリア沖縄に【リージョナルHERO】という転職を成功させた方のエピソードを載せた記事を紹介しています。

■鈴木彬史(あきふみ)さんの転職成功者インタビュー
「東京でスキルを磨いた北海道生まれのマーケターが沖縄移住とIターン転職を実現」
こちらより↓よろしければご一読ください。

リージョナルHERO 転職、転職エージェント

この記事を読んでいただいた皆さまの中にも、「沖縄を良くしたい」「大好きな沖縄で思いっきり働きたい」という方、いらっしゃると思います。是非是非お話を聞かせてくださいませ!

長濱 雅徳 Nagahama Masanori
コンサルタント
沖縄県那覇市生まれ。神奈川大学卒業後、教育関連の仕事に従事。東日本大震災をきっかけにNPO法人カタリバへ入社。岩手県をはじめ、東京や島根で経験を重ねる。結婚・出産を機に沖縄にUターンし株式会社レキサンに入社。3児の父であり、趣味は料理。レシピ動画を参考に作った料理は家族からも高評価である。

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