【対談】沖縄への移住転職相談を機に出会い、そして沖縄で起業の道へ
「10年後にはスタートアップやるなら東京じゃなくて沖縄だよね、という雰囲気が流れているといいですね。」
齋藤 浩之さんは沖縄に移住し、合同会社HAKKIを設立。
OISTに入居しているスタートアップ企業の営業や経理、労務支援を行なっており、沖縄から世界を目指していくスタートアップ企業を縁の下から支えています。
元は転職相談をきっかけにレキサンと出会いました。沖縄で起業する経緯や、沖縄への貢献したい想いなどについて、転職相談から起業支援までサポートしてきた株式会社レキサン社長の島村賢太と語り合いました。
地元の北海道か妻の地元の沖縄か悩んだ移住先
齋藤:東京で新卒入社した総合商社の三井物産、創業期のIT系スタートアップなどでがむしゃらに働いていたのですが、あまりプライベートに時間を割くことができず、妻のことを置き去りにしていて、、。そろそろ妻との時間や子育て等、将来のことを考えていくうちに、自分の地元の北海道か妻の地元の沖縄への移住を検討しました。そこで、沖縄の情報を知るためにレキサンさんに相談しました。
島村:齋藤さんは経験値も能力もあり、いろんなところで活躍できると思っており、その中で沖縄のスタートアップ企業などをご紹介させていただいておりました。内定が出ていた企業もあったのですが、結局のところ北海道を選んだんですよね。沖縄にきていただけると嬉しいと思っていたので、少し残念だなと思った記憶があります。(笑)
齋藤:そうなんですよね、最初は北海道で知り合いの会社にジョインすることになって、妻も北海道移住に賛同していたこともあり、北海道を選びました。ただ、南国の沖縄への憧れや子育てのことを考えて、沖縄移住を再検討し、島村さんに相談することにしました。島村さんは転職の相談だけでなく、自分が何をしたいのかまで聞いてくれるので、ついつい相談してしまいました(笑)
島村:そうでしたね。最初は沖縄でコーヒーの事業をやりたいという話などを聞いていて、事業についての壁打ちを行なっている感じでいつも話を聞いていましたね。実際、沖縄に移住してどうですか?
齋藤:沖縄は気候的に合っていて生活しやすいです。夏はやっぱり最高ですね。あと、妻の祖父母とお話しすることがあるのですが、1ドル360円ぐらいのときに国際通りで宝石屋の商売を始めた話だったりとか、激動の時代の沖縄の話を聞くのが面白いです。
転職ではなく、沖縄で起業という選択
齋藤:当初はコーヒーの事業を検討していましたが、島村さんに相談していく中で沖縄のスタートアップの情報やOISTの可能性などをお伺いして、興味を持ちました。
島村:OISTに入居しているスタートアップ企業は研究開発型のスタートアップ企業と関わっていく中で課題だらけでした。まず第一に研究者が創業したスタートアップが多く、経理や労務などバックオフィス業務に時間を割くことができず、困っている企業がたくさんあります。研究開発型のスタートアップのバックオフィスを解決することで、よりスピード感持って事業を伸ばすことができると思いますし、沖縄から研究開発型のスタートアップが大きくなると、新しい産業が沖縄で生まれていくので、そこに価値があると考えています。
そこでスタートアップ企業の経理や労務などのバックオフィス支援事業を考えていました。自社で行うことも考えていましたがノウハウやマンパワーがなくどう進めていこうか考えている時に、齋藤さんにこの話をしていきました。齋藤さんは個人でも稼ぐ力があったので、この事業をどうかなと。
齋藤:沖縄に来てからはフリーランスとして受託のサービスをしていたのですが、その話を聞いているうちにだんだん興味がでてきて、自分ができるならやってみたいと気持ちを伝えました。そこから、起業することになり、事業も動き出したような感じです。学生の時から起業したいという想いがあったので、このタイミングで起業できたのはよかったです。転職相談から始まりましたが、起業という選択ができたのも島村さんの後押しがあったからです。普通は転職エージェントとなったら、転職を進められるのに、まさか起業を後押ししてくれるなんて。
島村:転職エージェントなので、転職先を紹介していくのが大半なのですが、基本的にはその人が何をしたいかをお話を聞いた上で、自分が何に役に立つかを考えていきます。その人に最適な提案をしていきたいと日々考えています。齋藤さんの場合は、自分で事業を作っていきたい気持ちを感じていたので、今回の事業案をお話させていただきました。ただ、実際に起業を勧める人は稀ですけどね。齋藤さんが経験値も能力もあるという前提で、一緒に事業をやっていくのはどうかなとお誘いしました。
沖縄への想いとこれからについて
齋藤:北海道はホームタウンということもありどんどん人脈が繋がったのでビジネスのしやすさを感じていました。ただ、沖縄ではゼロからどれだけ勝負できるかという感じでワクワクしています。また、義父母、義祖父母もそうですが、沖縄に来てから周りには挑戦する方が多くてみんないい顔をしているなと。
島村:そうなんですね。そういう印象をもってくれて嬉しいですね。
齋藤:沖縄は好きなことをやっている人が定着すると思っています。そういう意味では沖縄は事業をやりやすい土地だと思っていまして。僕がいい人たちに巡り会っただけかもしれないですけど、何かチャレンジしてたら応援してくれる人が多いですね。沖縄に移住する当初、妻は出身者ですが、沖縄では面白みを感じられる仕事は少ないのではないか?という感じでした。ただ、OISTの取り組み等、妻自身も知らない沖縄の可能性に気付いてから、自分の事業を強く応援してくれています。
島村:いいですね。沖縄には頑張っている人がいると応援してくれる文化があるかもしれませんね。そういう沖縄で事業を展開していくことになった合同会社HAKKIですが、どのような展望を考えていますか?
齋藤:中期的にはスタートアップへの投資機能と、事業開発やバックオフィス等のスタートアップ支援機能の両方が5年後には整備されている状態を作りたいですね。そこに向けて、足元は支援機能作りを行なっています。スタートアップへの投資機能に関しては、ファンドという形態もあるでしょうし、自社事業で得られたキャッシュで投資することも考えています。また、10年後にはスタートアップやるなら東京じゃなくて沖縄だよね、という雰囲気が流れているといいですね。沖縄のほうが大陸にも近いので海外展開を狙うのであれば、沖縄が選択肢に入る状態になっていたら嬉しいなと。あとは沖縄から世界を目指すスタートアップが10社程度出てくれるといいですね。そこの株主になって、支援機能を提供しながら、一緒に世界を目指していけると楽しそうだなと。これは野望ですね。
島村:私もHAKKIに関わるメンバーとして話したいのですが、せっかくOISTという地域資産があるので、それをHAKKIを通して活かしていきたいです。OISTはアカデミックで世界最高峰を目指していて、その実績があります。その資産を実際に沖縄という地域に役に立つようにしていきたいです。具体的に研究開発型のスタートアップのエコシステムを作っていくというビジョンがあります。私自身もそのビジョンに感化されました。OISTのスタートアップのエコシステムを通じて、世界に通用する企業が沖縄から次々とでてくるようになると、良質な仕事が増えるし、外貨を稼げるようになると思います。なので、世界を狙えるようなディープテックをOISTから増やしていけると。
OISTのスタートアップに興味を持ってくれる人はいるので、その地域資源を活かしてまずは社会人インターンとか副業とかで関わってもらいつつ、HAKKIやレキサンを通じてOISTのスタートアップのエコシステムを大きくするための一助となっていきたいですね。
沖縄移住を考えている人へ
島村:最後に起業や転職問わず、沖縄に移住を検討している方がこの記事を読んでくれていると思いますが、何かアドバイスや参考になりそうなことはありますか?
齋藤:そうですね。沖縄に移住するのであれば、沖縄と関わる仕事が面白いと思います。そのほうが沖縄に住んでいる意義を感じられますし。沖縄にきてフルリモートで働いても、地域に仲間が出来づらいので、移住は失敗してしまう気がします。なので、沖縄という土地で事業を営んで、沖縄で野心的な目標を掲げる事業をやることで東京の感覚も捨てずに、沖縄のいいところも取り入れて仕事ができるんじゃないでしょうか。
島村:フルリモートするにしても、副業とかで沖縄の仕事に関わるというのも良いかもしれませんね。転職自体はしてないけど、居住区として沖縄に移住してる人は増えてる印象がすごくあります。その中には、優秀なビジネスマンがいると思うので、そういう方々とOISTのエコシステムを繋げていきたいですね。
齋藤:そうですね、そうなると自分の野望にも少しづつ近づいていきそうです!
島村:本日は対談ありがとうございました。引き続き頑張っていきましょう!
齋藤:はい!ありがとうございました。
今回は転職相談をきっかけに沖縄で起業した齋藤さんにお話をお伺いしました。
求職者の中でも稀な関わり方でありますが、転職はあくまでも手段となります。その方にとって最適な道を導けるように沖縄への移住・転職を中心に相談を受け付けております。
沖縄で移住したい、事業をしたい、沖縄に関わる仕事をしたいなど、ご相談ごとがありましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。