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皆さん、こんにちは。
株式会社レキサンでインキュベーション事業を担当しております高橋です。

これまでの記事で私が還暦を過ぎてレキサンに入社するまでの経緯はご紹介しました。

過去のブログはこちらより

レキサンは沖縄のために活動

今回はそのレキサンが取り組んでいるインキュベーション事業について、ご紹介します。

レキサンに入社するにあたっては、代表の島村と何時間も話し合った…ということはあまり無くて、比較的早くから意気投合してしまいました。

もちろん、以前からの知り合いだった、ということもありますが、それよりもお互いの「沖縄のために力になりたい!」という想いに改めて、そして強く共感できたからだと思います。

レキサンはご存じの通り人財紹介会社であり、沖縄の産業界で活躍中の企業、これから伸びて行こうとする企業に対しUターン、Iターン中心の優秀な人材を紹介・供給するのがメインのビジネスです。

この事業が、沖縄発展のために貢献をしていることは間違いありませんし、レキサンの社員一同もそう自負しています。

OISTとインキュベーター事業とは

一方、島村はかなり早い段階から、恩納村にあるOIST(沖縄科学技術大学院大学)の存在に着目しており、人財紹介業と並行して、このOISTを沖縄発展の核として、最大限に利活用したい、そのためにOISTのアクティビティを支援したい、という構想を持っていました。

OISTはその論文の質において、世界でも高い評価を受けており、英シュプリンガー・ネイチャー発表の「質の高い論文ランキング2019」では、OISTが日本で第1位、世界でも第9位となりました。

意外と知られていませんが、2022年にはスバンテ・ペーボ教授がノーベル生理学・医学賞を受賞しています。そういう大学ですから、世界中から大勢の若き研究者たちが集い、それぞれの研究を深く推し進めています。

研究の内のいくつかは世の中の発展に寄与すべく、事業化・起業に向けて、卵が孵化するかのように成長を続けます。彼らをスタートアップと呼びますが、まだまだ資金力もなく、企業として産業界にデビューするのには様々なリソースが欠けています。

アメリカのシリコンバレーがIT起業家の集積地として、次々と新しいムーブメントを巻き起こす起業を発生させて来たように、OISTも研究者のメッカとして、スタートアップ群、その予備群を生み続け、インキュベート(孵化させて)しているわけです。

日本でも「スタートアップ支援」は大きな課題であり、2022年11月には内閣府で「スタートアップ育成5か年計画」が策定され、経済産業省を中心として、様々な支援メニューが提供されています。

 

 

具体的に活動内容

さて、OISTのスタートアップが、例えば政府系の補助金を申請する、あるいは民間団体が主催するピッチイベント(投資家などに対し、スタートアップがプレゼンを行うイベント)に参加しようとします。ところが、そのために申請書を書いたり、必要な添付資料を整えたり、プレゼン資料を仕上げるなど…

一部の例外はあるものの、ほとんど全てで日本語での記載・作成が要求されてきます。更には、補助金やイベント開催事務局との連絡、場合によってはオンラインでの打合せや壁打ち、これも原則として日本語でのやり取りとなる訳です。

昔からよく言われる「非関税障壁」としての日本語が立ちはだかってくるのです。

レキサンのインキュベーション事業担当として、こういった日本語での資料作成や連絡の仲介がまずは大きな力仕事となります。先に述べたようにスタートアップは資金力が脆弱なケースが多いので、業務委託でしっかりフィーを受け取ることはなかなかできません。そこで、成功報酬型で作業を請け負う、という形は人財紹介のビジネスモデルと似ているので、違和感が少ないのかもしれません。更に、研究者がビザの更新を行う、アパートを借りる、会社の登記を行う、銀行口座を開設する、etc. etc. 全てに立ちはだかる「日本語の壁」

だから、インキュベーション担当者は研究者やスタートアップにとっての伴走者、秘書、小間使いを引き受けながら、彼らが停滞したり方角を失ったりしないように、時には励まし、時には叱る「おかあちゃん」のような存在なのかもしれません。あるいは、役割として一番似ているイメージの職業としてはエベレスト登山隊を助ける「シェルパ」かな、と思う今日この頃です。

もちろん、OIST自身の中にもイノベーションという支援組織があり、学内のスタートアップのために知的財産権の管理、コミュニティの生成、琉球大学とのコラボの仕掛けなどの支援を行っています。支援する立場こそ違え、我々は民・学でお互いに連携を取りながらスタートアップを見守っています。

 

インキュベーション事業に力を入れる理由とは

スタートアップはその起業・成長の過程で、補助金の獲得、エンジェル投資家やVCからの出資などを受け、そのお金を事業資金として使用してゆきます。

私たち支援者側はもちろん支援作業の対価としての成功報酬を受け取ることは可能ですが、それが会社の収益を支える柱となりうるか、というと、そうではありません。

レキサンがスタートアップに寄り添い、支援を続けている動機は、まず第一に「沖縄OIST発の起業を増やし、沖縄の経済を活性化させ、そこに新たな雇用を生むこと」だと思います。

また、スタートアップが伸びてゆく過程で優秀な人材を必要とし、レキサンがそのお世話をする、ということも実際にこれまで多数の実例があります。さらにはスタートアップの事業性に魅力を感じ、レキサンがそのスタートアップに出資し、株主となるという機会もいずれ出てくるでしょう。そういうエキサイティングな付加価値の高い将来が必ず待っている、と確信することも、このイノベーション事業を続けている第二の意義だと考えています。

沖縄の経済、産業を活性化させること。そこで働く人たちの働き甲斐や所得を最大化すること。さらには外国人研究者たちのネットワークを有効活用し、沖縄発の起業家、企業が世界に羽ばたく、という夢を実現すること。これらが、レキサンがインキュベーション事業に力を入れ続ける源泉なのです。


株式会社レキサンでは、下記のサービスを行っています。

都内や国外で腕を磨いてきた方、次は沖縄という素晴らしい土地で思いっきり働いてみませんか?
個別相談会も実施しています。



高橋 直人 Takahashi Naoto
インキュベーション事業担当
1959年東京都文京区生まれ。早稲田で学生時代を過ごした後、総合商社に入社。14年半の在籍期間中、米国、サウジアラビア、インドネシアと海外駐在が中心。経済協力部課長としてODA案件を担当。 その後、京都のバイオ燃料ベンチャーを経て、米国系保険グループへ。13年半の在籍中、購買セクション統括から総務部長まで歴任し、東日本大震災では災害救援隊リーダーとして支援活動に従事。50歳前に愛知県の自動車部品メーカーへ転身し、総務部長、法務課長、秘書室長を兼務。 60歳を前に沖縄移住を決意。素材メーカーの工場で採用・労務管理を担当し、地元の若者の雇用創出に尽力。建設業での経験を経て、現在は株式会社レキサンでインキュベーション事業を担当。商社、ベンチャー、外資系金融、製造業と、多様な経験を活かし、「沖縄のために何か成し遂げたい」という想いで新たな挑戦を続けている。

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