沖縄の経理職の年収を全国平均と比較!データと転職成功事例を紹介
沖縄県の平均年収が全国平均より低いことはよく知られていますが、経理職も例外ではありません。
厚生労働省の資料によると、沖縄県の経理職の平均年収は369万円で、全国平均の484万円に比べると115万円もの差があります。この数字は、実際に働いている経理職の年収を基にしており、労働条件や職場環境によって変動があると考えられます。(参照:経理事務 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)))
一方、弊社レキサンが過去に決定した経理職の平均年収は419万円で、これはオファー時の1年目の理論年収を基準にしています。この金額は、月給に加え、想定賞与や各種手当が含まれたものです。ただし、残業代(固定残業代除く)と交通費は含まれていません。
厚生労働省算定の平均年収は、残業代と交通費を含んでの数値になり、また勤続年数が考慮された年功給的な要素も含まれます。弊社の実績数値と比較して算定基礎の要素が多くなりますので、数値が高めになります。いずれの数値も参考としてご覧いただき、転職やキャリアアップの判断材料として活用していただければと思います。
沖縄に経理職として転職を考えている方の中には、年収のダウンが懸念材料となっている方もいるかもしれません。しかし、労働条件やスキルを活かしたキャリア形成の観点から、成長の機会や中長期的な収入向上の可能性も見込めるため、今回の記事を参考に、検討していただければ幸いです。
本記事では、沖縄県の経理職の年収、労働時間、平均年齢などを全国平均と比較し、その違いについてまとめています。さらに、沖縄の経理職に特有のキャリア形成の可能性や、具体的な転職事例を紹介します。沖縄での転職やキャリアアップへの参考にしていただき、今後のキャリア形成にお役立てください。
そもそも経理事務の業務内容とは
経理は、会社のお金の流れを管理する職業です。日々の業務には、請求書の発行、入金確認、支払処理などが含まれ、会社の資金の出入りを記録します。
月次でデータを集計して月次決算を行い、会社の経営状況を把握します。また、1年間のデータをもとに決算書を作成し、税務申告も行います。
経理の仕事には、正確さや几帳面さに加え、数字を扱う力と財務諸表の理解が求められます。
以下は厚生労働省の『job tag』データによる、経理の主なタスクです。
実施率 | タスク内容 |
64.1% |
会計ソフトを使用し、金額の記録、計算、帳簿記入・報告書作成をする。 |
60.9% | 帳簿への記録に間違いや実際との矛盾がないかチェックをする。 |
57.8% | 毎日の金銭的な活動に対して伝票を起こし、帳簿に記録する。 |
51.6% | 決算期ごとに各勘定科目を集計し、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を作成して、決算をする。 |
51.6% | 月単位で各勘定科目について集計をする(月次決算)。 |
50.0% | 会計検査、税務調査などへの立会いをする。 |
46.9% | 現金や小切手の処理と管理をする。 |
43.8% | 請求書を発行し、入金を確認して顧客の管理をする。 |
40.6% | 予算の編成や経営計画のための資料を作成する。 |
39.1% | 社員の給与計算をする。 |
18.8% | 棚卸を行って在庫商品の残高を把握し、棚卸表を作成する。 |
15.6% | 製造原価の管理をする。 |
参照元:経理事務 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
沖縄県全体の平均年収と経理職の平均年収の比較
沖縄県「全体」の平均年収は330万円
まず、沖縄県全体の平均年収について触れます。沖縄県の平均年収は約330万円で、全国平均と比べると低い水準にあります。観光業が主要産業となっている沖縄では、1人当たりの生産量や経済的効果が低いため、結果として平均年収も抑えられる傾向にあります。
関連記事:沖縄県の平均年収はおよそ330万円、500万円以上の人の特徴や低い理由まで | 沖縄のUターンIターン特化型の転職エージェント | 株式会社レキサン
沖縄県「経理職」の平均年収は369.4万円
次に、沖縄県の経理職に特化した年収を見ていきます。経理職の平均年収は約369万円で、沖縄全体の平均年収よりは高いものの、全国平均の484万円と比較すると115万円ほどの差があります。
前述のとおり、弊社レキサンが過去に決定した経理職の平均年収は419万円(オファー時の1年目の理論年収を基準とし、月給に加えて想定される賞与や各種手当を含めたもの)となっています。
項目 | 全国 | 沖縄 |
就業者数 | 1,523,600 人 | 14,840 人 |
労働時間 |
163 時間 |
167 時間 |
賃金(年収) | 484.6 万円 |
369.4 万円 |
年齢 | 43 歳 |
44.1 歳 |
経理職の平均年収が沖縄全体より高い理由として、経理の専門的なスキルが企業において評価されやすいことが挙げられます。経理職では400万円を超える求人もあり、経験やスキルによっては高収入を得るチャンスも期待できます。
このように、沖縄全体の平均年収と比較すると、経理職における年収の差が明確になりますが、全国的に見ると沖縄の経理職の年収も依然として低い傾向があります。
沖縄県の経理のキャリア形成
沖縄では、地域特有の産業構造の中で、経理やバックオフィス人材が重視されています。特に、大手企業では経理や財務、税務に特化したキャリアが期待されており、中小企業ではバックオフィス全般を担当することで、幅広いスキルを身につけることができます。
関連記事:沖縄で働く上での経理のキャリア形成 | 株式会社レキサン
さらに、税理士法人でのキャリアパスもあり、専門性を高めつつ地域に貢献することが可能です。沖縄の観光業、建設業、不動産、IT産業などの分野でも、経理職の重要性が高まっており、今後も多くのキャリアチャンスが期待されています。
沖縄企業が求める経理(バックオフィス)の人材
沖縄県の経理職としてキャリアを形成するには、求められるスキルや特性を理解することが大切です。
沖縄の企業では、20代から40代中盤の世代で「沖縄を支援したい」という強い意識を持った人材が求められています。観光業や地域に根差した産業が多いため、経理や総務などバックオフィス部門は、企業の経営基盤を支える重要な役割を果たします。
特に、経理業務を正確かつ迅速にこなすスキルや、即戦力としての柔軟な発想やITスキルが求められています。また、リーダーシップやコミュニケーション能力、地域社会への貢献意識を持つ人材は、高く評価される傾向にあります。
関連記事:沖縄の求人から読み解く求められるバックオフィス人財 | 株式会社レキサン
沖縄企業へ経理が転職した事例
ここでは、沖縄での経理職のキャリア形成を具体的にイメージしていただくために、実際にレキサンがサポートした3つの転職事例を紹介します。
レキサンでは、転職支援において「企業文化とのマッチング」や「強みを活かせる環境」を重視しています。候補者様一人ひとりのスキルや経験を最大限に発揮できる職場を見つけるため、企業との相性を丁寧に確認し、転職活動を成功に導くお手伝いをしています。
※本記事内では個人情報保護のため、特定の会社名や個人名は伏せて記載しています。ご了承ください。
比嘉様の事例: 建設業から製造業へのUターン転職
比嘉様(仮名)は30代前半の男性で、建設業界の経営企画職として約10年間の経験を積んできました。しかし、会社の情勢が変わったことで、より安定した環境でキャリアを築きたいと考え、地元沖縄でのUターン転職を決意しました。
転職先は、製造業の大規模企業で、唯一無二の技術を誇る企業です。比嘉様は前職同様、経営企画を担当していますが、新しい環境では扱うプロダクトやデータが異なり、専門的な知識を活かしながら業務にあたっています。年収は前職より減少しましたが、労働時間は短縮され福利厚生が向上しました。
レキサンでは、比嘉様が持っている特徴や強みを活かせる職場を選定する際、他社と比較して即戦力として活躍しやすい環境であることを分析しました。その結果、比嘉様がストレスを感じることなく、スムーズに新しい職場での業務に移行できると考え、企業文化とのマッチングを重視しました。面接を通じて、比嘉様自身が企業とのフィット感を確認できるようサポートし、成長機会を感じ取れる企業への転職を実現しました。
田中様の事例: サービス業から製造販売業への転職
田中様(仮名)は40代後半の女性で、サービス業界の経理責任者として約25年のキャリアを持ち、簿記関連の資格も取得されています。しかし、サービス業特有の業務内容や会社の特徴により、今後のキャリアをこの会社で続けていくことに疑問を感じるようになりました。キャリアアップを見据え、田中様は新しい環境での挑戦を決意しました。
転職先は、地域密着型の製造販売業で、地域の産業を支える中小企業です。この企業では、田中様は最高財務責任者(CFO)として、会社全体の財務を管理する重要な役割を担うことになりました。これまでの経理責任者としての経験に加え、より広範囲にわたる経営への関与が求められるポジションです。前職では経理部門に限定されていましたが、現在は会社全体をカバーする広い責任範囲を持っています。転職によって、福利厚生は若干減少しましたが、年収は増加し、労働時間も縮小することができました。
レキサンでは、田中様の転職をサポートする際、現職で感じていたキャリアの限界や不満を精査し、「次の職場で何を大切にすべきか」を明確化しました。特に、「誰と一緒に働くか」「どのようなキャリアを築きたいか」を深掘りし、田中様が面接を通じて自ら企業とのフィット感を検証できるよう支援しました。この結果、田中様は自分の理想に合致した職場で新たなキャリアをスタートさせ、転職を成功させました。
金城様の事例: 税理士補助からコンサルティングファームへの転職
金城様(仮名)は40代前半の女性で、税理士補助として約20年の経験を持ち、簿記関連の資格も有しています。しかし、会社の方針や環境が自身の考え方と次第に乖離し、その差が大きくなったことから転職を考えるようになりました。金城様はUターン転職を希望し、沖縄で新たなキャリアを築く決意をしました。
転職先は沖縄No.1の実績を誇るコンサルティングファームで、中小企業として地域に密着したコンサルティングサービスを提供しています。金城様は新しい職場でコンサルタントとして、顧客に対して幅広いサービスを提供する役割を担っています。前職では税務補助業務が主でしたが、転職後は顧客層や提供するサービスの内容が大きく変わり、より広範囲なビジネス支援に携わることができるようになりました。
今回の転職で、金城様の年収は減少しましたが、労働時間は短縮され、福利厚生は前職と同じ水準を維持しています。
レキサンでは、金城様が抱えていた退職理由を明確にし、その要因が新しい職場では解消されるかどうかを重視しました。特に、金城様が現職で感じていたストレスが次の職場で発生しない環境を持つ企業を慎重に選定しました。面接を通じて金城様自身がその点を確認できるようにし、納得のいく転職をサポートしました。その結果、金城様は新しい職場で自分のスキルを活かしながら、より良い環境でキャリアを再スタートすることができました。
まとめ
沖縄の経理職は全国平均と比べて年収が低い傾向があり、転職を検討している方にとって年収のダウンが懸念されることもあります。しかし、スキルや経験を活かせば、適切な職場で高収入を得るチャンスは十分にあります。短期的な収入に焦点を当てるのではなく、長期的なキャリアアップを視野に入れることが重要です。
企業文化や成長機会にマッチする職場を見極め、自分の強みを最大限に活かすことで、経理職としてのキャリア形成に成功させることができます。リーダーシップや専門スキルを活用し、成長の機会を逃さないことがポイントです。
レキサンでは、一人ひとりのニーズに合わせた転職サポートを提供しており、特性に合った最適な職場を見つけるお手伝いをしています。沖縄で経理職の転職やキャリアアップをお考えの方は、ぜひご相談ください。
沖縄で移住したい、事業をしたい、沖縄に関わる仕事をしたいなど、ご相談ごとがありましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。
その方にとって最適な道を導けるように沖縄への移住・転職を中心に相談を受け付けております。