沖縄で求められる経営企画・事業企画ポジションの職務経歴書の書き方とは
日々、転職支援をさせていただく中で、「職務経歴書の書き方がわからない」「もっと効果的な書き方を知りたい」といったご相談をよくいただきます。
職務経歴書の作成は、私も経験がありますが、想像以上に大変な作業ですよね。限られたスペースの中で、自身のこれまでの経験を伝え、採用担当者や社長に「この人に会ってみたい」と思っていただけるような内容にしなければなりません。
実際、やはりどれだけ我々エージェントが履歴書や職務経歴書だけでは伝わらない候補者の方の魅力をお伝えしたとしても、元々の職務経歴書の内容が十分でなければ、書類選考を通過できないこともあります。そのため、職務経歴書は転職活動において、最も重要な準備物の一つと言っても過言ではないかと存じます。
今回は、その中でも【経営企画・事業企画ポジションの職務経歴書の書き方】についてお伝えしてまいります。
沖縄の経営企画の仕事について
まずは沖縄における同ポジションで活躍できる人材について理解することが重要です。詳しくは以前のブログ記事「沖縄の経営企画の仕事と活躍できる人の特徴とは」をご参照ください。
沖縄特有の経営環境やビジネス文化を理解した上で、次に職務経歴書の作成方法についてご説明いたします。
基本フォーマット
以下に【基本構成例】をご紹介いたしますが、大前提として、これは「虎の巻」的なものではなく、絶対的な規則というわけではありません。あくまでも参考例としてご覧いただければと思います。
(1) 職務要約
(2) 職務経歴
(3) プロジェクト実績と成果
(4) スキルと知識
(5) 自己PR
(6) 資格・スキル
(7) 志望動機(必要に応じて)
各セクションの具体的な書き方
(1) 職務要約
まずは、これまでの職務経歴全体を簡潔に要約し、経営企画・事業企画職としての強みをアピールします。一般的な文字数は250字前後で、採用担当者や社長が30秒~1分程度で読み切れる量が理想的です。この部分では何より「相手の興味を引く内容を伝える」ことが重要となります。
応募先企業の求める人材像やスキルを十分に理解した上で、「求められている要件」と「自身の経験」の重なりを明確に示すことが大切です。これにより、応募先企業での再現性を感じてもらうことができます。
具体例を挙げてみましょう。ある企業が以下のような特徴を持っているとします。
- 10人以下の規模のベンチャー企業
- 営業出身の社長が苦労しながら事業を軌道に乗せてきた
- 更なる事業拡大のフェーズにある
- 社長の右腕となる経営企画・事業企画職を募集
- 社長は営業畑出身で、成果を出し続けながら成功を収め、豊富な人脈を形成して起業
- 社長と同じマインドを持ちつつ、社長とは異なる強みを持つ「参謀タイプ」を求めている
このような企業に対しては、企業ニーズに適合した職務要約を作成することが重要です。実際、応募先企業や経営者のタイプによって職務経歴書(特に職務要約)の内容を変える方もいらっしゃいます。このように、職務要約は大切な要素の一つとなりますので、作成の際はぜひご留意いただければと存じます。
(2) 職務経歴
職務経歴は時系列で記載していきます。一般的な書き方として、最も直近の会社から始め、古い順に下へと記載していきます。
【基本構成例】
- 会社名
- 勤務期間
- 事業内容
- 担当業務・役職
- 主な業務内容
【記載例】
1社目
【勤務期間】2015年4月~2023年3月
【会社名】株式会社〇〇(総合商社)
【役職】経営企画部 課長
【業務内容】
- 中期経営計画(5カ年計画)の策定および進捗管理
- 全社的なKPI設定およびモニタリング体制の構築
- 新規事業立案・推進(AIソリューション事業:年間売上10億円達成)
- 経営陣への意思決定サポート資料作成
- 国内外のM&A案件(3件)のデューデリジェンスおよびPMI管理
このように基本的な経歴を記載した上で、次項では具体的な実績や成果について詳しく説明していきます。
(3) 実績・成果
どの職種でもそうかもしれませんが、特に経営企画・事業企画のポジションにおいては、具体的にどのような成果・実績を出してきたのかが重要です。数字や具体的な効果を交えて記載しましょう。
実績の書き方ポイント:
- 数値化:収益改善率、コスト削減額、プロジェクト達成期間など
- 役割の明確化:プロジェクトリーダー/メンバーなど具体的なポジション
- インパクトを強調:会社全体や部門への影響
【実績例】
- 中期経営計画:全社目標達成率95%を実現し、売上1.2倍(3年間)を達成
- KPIモニタリングシステムの導入:月次報告プロセスを50%効率化
- 新規事業開発:IoTデバイス事業の立ち上げをリードし、初年度売上5億円達成
- M&A案件推進:3件の買収案件(総額200億円)のデューデリジェンスおよびPMI統括
- コスト削減:購買戦略見直しにより年間1億円のコスト削減を実現
また、これらの成果を出すにあたり、どのような環境の中で、どういった課題に直面し、それをどのように解決していったのか、というプロセスについても記載いただくことで、より再現性を見出していただけることになるかと存じます。
例えば、東京の大手一部上場企業の経営企画をやってきた方が、沖縄のスタートアップベンチャーや中小零細企業の経営企画ポジションにエントリーをした場合、その会社の経営者や採用担当者が見ても、「凄いことはわかったが、自社で活躍できるのかイメージが湧かない」「合わないのではないか」という評価になる場合があります。上述の「職務要約」の部分でも触れましたが、エントリーをする企業やポジションを理解した上で、求められる人材像や活躍のイメージが湧くような書き方をする必要があるということです。
このように、応募先企業の特性を理解した上で、適切な実績とその背景を記載することで、より具体的な即戦力としての価値を伝えることができます。
(4) スキルと知識
経営企画・事業企画において求められるスキルや専門知識を列挙します。職務経歴や実績を支える具体的なスキルセットを示すことで、より説得力のある内容となります。
【スキル、知識】
- 戦略立案(SWOT分析、3C分析、ポーターの5フォース分析)
- 財務分析スキル(PL、BS、CF分析)
- 採用戦略、人事評価制度の作成
- プロジェクトマネジメント(PMBOK、アジャイル手法)
- データ分析ツール(Excel、Tableau、Power BI)
- 事業評価(DCF法、NPV計算)
- 英語力(TOEIC 900点、海外取引経験あり)
【資格】
- 中小企業診断士
- MBA(取得中/卒業)
- 日商簿記2級・1級
- PMP(プロジェクトマネジメント資格)
- TOEIC 850点以上(または英検準1級以上)
(5) 自己PR
求められるポジションにおける「経営者(陣)のパートナー」としての視点をもって、自己PRをします。ここでは、エントリーする企業やポジションにおいて、ご自身を採用することがいかに有用であるか、また同社への想いについて記述できると良いかと存じます。
【例】
私は経営目線で全社的な課題を捉え、具体的な解決策を迅速に立案・実行するスキルに自信があります。特に、規模や事業フェーズの異なる会社で、新規事業立ち上げやM&A推進といった経営の根幹に関わる業務で成果を上げてきました。また、データ分析を基にした意思決定サポートを通じ、経営陣から高い評価を得ています。今回募集されている同ポジションにおいても、これらの経験を活かし、貴社の更なる成長に寄与したいと考えております。
番外編
中には、これまでにご自身が作成した企画書を事前に提出される方や、面接当日にエントリー企業の分析と今後の戦略のたたき台を持参してご提案をする方、自身で作成した会社のPR動画や企画をPRされる方もいらっしゃいます。企画書については、もちろん秘匿情報は伏せた状態にカスタマイズしておりますが、その方の企画力を測る上で有用な情報の一つとなるため、プラスに評価される場合もございます。
5. まとめ
色々とお伝えしてまいりましたが、自身がエントリーする企業や採用ポジションを理解した上で、「自分以上にフィットする人材はいない」ということを職務経歴書内に盛り込むことをお勧めいたします。その上で、これまでの自身の経歴の中で、直面してきた課題、どのような打ち手を講じてきたか、そしてどのような成果を出してきたか、特にこの3つは重要な要素としてお伝えいただくと良いかと存じます。特に、その課題の内容がエントリー企業の抱える課題と類似しており、実現可能な打ち手(お金があまりかからない施策等)を実践して成果を出し、事業拡大に貢献してきた――そういった経験が伝われば、きっとその経営者や採用担当者は『この方に会いたい!』と思っていただけるものと存じます。
沖縄での転職を検討されている方で、職務経歴書作成でお困りの際は、お気軽に弊社レキサンにご相談ください。