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皆様、レキサン(リージョナルキャリア沖縄)の長濱です。本年も何卒宜しくお願い致します。
今回の年末年始はどう過ごされたでしょうか。9連休ということで、帰省、旅行、様々な過ごし方をされたのではないでしょうか。
沖縄の年末年始は観光客の方々が大変多くいらっしゃったようです。私はというと、沖縄にずっといたので特に変わったことは無く、年越しのそば(沖縄そば&日本蕎麦)を食べたり、お節やお雑煮を食べたりして過ごしていました。

初めての体験としては、年明けにいとこの子どもたちと釣りに行き、「鱚(キス)」を釣って、その日のうちに天ぷらにして食べました。東京住まいの従兄弟とその子どもたちはとても興奮していました。
自分たちで釣った魚を自分たちで揚げて食す、とても良い体験をさせてもらいました。今年一年は、「初体験・初挑戦」をしていく年にしたいと思います。

さて、少し前置きが長くなりましたが、今回は【沖縄の接客業からキャリアアップを目指す道筋】について話してまいります。

目次

  1. 接客業の可能性
  2. 沖縄の接客業の特性と現状
  3. 接客業におけるキャリアアップとは
  4. キャリアアップに必要なプランニングとコアスキル
  5. キャリアパスの具体例①「県内某有名商業施設→マーケティング職への転身」

 

接客業の可能性

元々沖縄は観光地として国内外から注目を集めており、その中心にあるのが接客業です。2023年5月8日にコロナが5類へ移行し、沖縄の観光業は従来以上の活気を取り戻しています。これに伴い、企業様からの人材採用に関するご相談も増加傾向にあります。
森岡毅氏率いる「株式会社 刀」が推進する沖縄北部テーマパーク事業「ジャングリア」も注目を浴びている中、今後益々増えていくことが予想されます。
なお、接客業として働く上で、様々な職種がありますが、代表的なものとしてホテル、アミューズメント施設、アパレルショップ、コンビニエンスストア、飲食店、スーパーマーケット、百貨店、スポーツジム、小売店などが挙げられます。

沖縄の接客業の特性と現状

一般的に、接客業と販売業は販売に対する姿勢が異なるとされています。販売職は顧客に対して商品やサービスを積極的に提案する必要がありますが、接客業は必ずしも販売促進を主な業務としていません。
このような違いはありますが、本記事では両者を含めて解説していきます。その理由として、沖縄県はサービス業が地域経済の主要な部分を占めており、特に接客業の求人需要が高い地域だからです。
しかしながら、接客業に従事する方々の中には、労働環境や人間関係の課題から離職を検討される方も少なくありません。また、給与水準やキャリアパスの不明確さにより、長期的な就業意欲が低下するケースも見受けられます。

一方で、接客業で培われるスキルは他の職種でも活かすことができます。例えば、コミュニケーション能力や顧客対応力、チームマネジメントなどは、営業やマーケティング、さらには経営の分野でも重要なスキルとなります。しかし、キャリアチェンジを含め、より充実した仕事へのステップアップを実現するためには、日々の業務をこなすだけでは不十分です。

接客業におけるキャリアアップとは

接客業におけるキャリアアップの一つとして「昇進」があります。一般的にスタッフから始まり、リーダー、マネージャー、店長、エリアマネージャーといった段階を経ていきます。ただし、企業によって役職の段階数や転勤の有無は異なるため、事前に十分な確認が必要です。特に沖縄に進出している県外大手の外食チェーンでは、勤務地を沖縄に限定した場合、店長クラスが最高位となるケースがあります。
キャリアアップの選択肢としては、異業種への転職や独立も考えられます。しかし、独立・開業については慎重な判断が必要です。実際に、当社への相談者の中にも、開業後やむを得ず廃業したケースが少なくありません。これは沖縄県全体の傾向とも一致しており、沖縄県は全国で最も開業率が高い一方で、廃業率も非常に高くなっています。近年はコロナ禍の影響も大きな要因の一つとされています。
(参考:2021年3月の県内開廃業データ)

では、これらのキャリアアップを実現するために必要な要素について、以下で詳しく解説していきます。

キャリアアップに必要なプランニングとコアスキル

キャリアアップの最初のステップは「自身のキャリアプランを明確にすること」です。例えば、中小企業や大手企業でのステップアップを目指すのか、あるいは接客から営業、マーケティング、経営者といったキャリアチェンジを目指すのかを考える必要があります。その際、具体的な目標を設定することをお勧めします。

【企業の「エリアマネージャー(または店長)」を目指す場合】

  • 1年目:接客スタッフとして基本業務を習得し、日常業務を確実に身につける
  • 2年目:リーダーとして部下の育成・指導等のマネジメントスキルを習得する
  • 3年目:マネージャーとしてリーダーの育成・指導に携わり、業績向上施策の立案・実行ができるようになる
  • 4年目:副責任者として店舗管理、人材育成、売上向上施策の実行を担当する
  • 5年目:店長として店舗運営全般を任される
  • 7年目:エリアマネージャーとして複数店舗の統括を担当する

【マーケティング職へのキャリアチェンジを目指す場合】

  • 1~3年目:店舗スタッフとして実務経験を積みながら、SNSマーケティングや競合分析を店長の指導のもと実践する
  • 3~4年目:法人営業職へ転換し、トップクラスの営業実績を達成する
  • 4~5年目:営業企画部門でマーケティング戦略の立案に携わる
  • 5年目以降:マーケティング部門で企業のブランド戦略を担当する

もちろん、このようなキャリアプランが必ずしも計画通りに進むとは限りません。しかし、目標を明確にしておくことで、自身の成長度合いを把握でき、次のステップに必要な行動が見えてきます。それにより、仕事への取り組み方も変わり、より充実した日々を送ることができるようになります。

キャリアプランを設定した後は、目標達成に向けて具体的なスキルアップが重要となります。
以下に挙げるスキルは、どのようなキャリアパスを選択する場合でも必要不可欠となります。

  1. 経営的視点  接客業で働きながら経営の視点を学ぶことは、次のステップに進むための鍵となります。例えば、店舗運営における売上管理や在庫管理、人材の採用等、将来的に経営ポジションを目指す際に役立ちます。
  2. マネジメント能力  店舗のチームをまとめたり、スタッフを育成したりする経験は、他の業種でも求められる重要なスキルです。
  3. 営業やマーケティングの基礎  接客業で得られる顧客ニーズの理解力を活かし、営業やマーケティングにスキルを広げることが可能です。例えば、顧客の声を反映した商品企画やサービス向上策の提案などが挙げられます。SNSを駆使した集客の経験等も今後役に立ちます。
  4. 課題解決力  日々の業務の中で直面する問題に対処する能力は、接客業の現場で重要なスキルです。特にクレーム対応や緊急事態の処理経験は、他の業種でも強みとなります。
  5. 柔軟性と適応力  多様な顧客や文化に対応するための柔軟性や適応力は、グローバルな職場環境でも求められるスキルです。

キャリアパスの具体例①「県内某有名商業施設→マーケティング職への転身」

過去にご相談のあった求職者A氏の事例をご紹介します。A氏は沖縄県民であれば誰もが知る某有名商業施設で店長を務めていた方で、新卒入社後、スタッフ職からステップアップを重ね、たたき上げで店長となりました。
A氏は自身の店舗の売上管理やスタッフの育成はもちろん、施設全体の改善を常に考え、様々な提案や施策を実行されてきました。当社に転職のご相談をいただいた際には、「これまで培ってきた経験を活かし、沖縄への地域貢献度が高い経営職(マーケティングや経営企画)に携わりたい」という明確な希望をお持ちでした。

その結果、A氏は念願であった「沖縄への地域貢献」と「企画マーケティング職」を実現。異業界・異職種からの転職にもかかわらず、すぐに成果を上げられ、取締役からも高い評価を受け、1年ほどで昇進を果たされました。
このような事例以外にも、日頃からスキルを磨き、質の高い仕事を心がけている方々は、思いがけない部門や企業からオファーを受けるケースが多いことを、求職者との情報交換を通じて実感しています。

最後に

ジャングリアをはじめとする県外大手企業の参入が増加しており、沖縄の接客業界は今後さらなる発展が予想されます。高収入や柔軟な勤務体系を提供する求人も登場しており、業界動向や求人情報を日頃からキャッチアップすることで、魅力的な職場と出会える可能性が広がっています。

また、中小企業が多い沖縄では、企業規模や初任給は小規模であっても、少人数体制だからこそ、成果を出せば早期に経営に携われるポジションも存在します。独立志向の方にとっては、このような環境で裁量を持ってチャレンジできる機会が、貴重な経験となる場合もあります。
沖縄の接客業は、観光産業を支える重要な基盤であり、多様なキャリアを築く可能性を秘めています。どのようなキャリアパスを選択するにしても、一人ひとりがスキルを磨き、キャリアアップを実現し、充実した日々を送れることを願っています。そのような人材が増えていくことは、沖縄県経済の発展にも大きく貢献するはずです。
共に沖縄を盛り上げていきましょう。この記事が、接客業に携わる方々、これから目指す方々の参考となれば幸いです。

長濱 雅徳 Nagahama Masanori
コンサルタント
沖縄県那覇市生まれ。神奈川大学卒業後、教育関連の仕事に従事。東日本大震災をきっかけにNPO法人カタリバへ入社。岩手県をはじめ、東京や島根で経験を重ねる。結婚・出産を機に沖縄にUターンし株式会社レキサンに入社。3児の父であり、趣味は料理。レシピ動画を参考に作った料理は家族からも高評価である。

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